公立学校教員採用試験の1次試験(筆記)の共通化を目指す自治体協議会が、試験日程を5月、6月、7月の計3回に分ける方向で調整していることが明らかになった。
背景には深刻化する教員不足があり、採用時期の早期化や受験機会の拡大で優秀な人材確保を狙う意図がある。だが、現場からは「労働環境改善と給与の適正化なしに問題は解決しない」との批判も噴出している。
- 公立学校教員採用試験の1次試験(筆記)の共通化に向け、全国の自治体協議会が試験日を5月、6月、7月の3回設定する方向で最終調整中。
- 従来の7月中心の試験日程から前倒しし、民間企業との人材獲得競争に備える狙い。
- 文部科学省は教員不足対策として早期採用試験や資格緩和、元教員の再雇用制度の活用などを進めているが、現場では「対策が的外れ」との声が根強い。
- 教員採用倍率の低下により、基本的なコミュニケーションや事務作業すら困難な人材が採用されるケースが増えているとの指摘がSNSなどで共有されている。
- 「試験を通過できる程度の人材」から「試験自体に参加できる程度の人材」にまで採用を拡大しなければならない教育現場の現実に懸念の声があがっている。
- 現場の教職員や関係者からは、「教員不足の本質的な原因は待遇改善こそが最優先」と批判の声が上がっている。
試験制度の改革は一つの対策だが、教員不足の根本的な解決には労働環境の抜本的な見直しが不可欠であるという認識が広がっている。教育現場の切実な声を反映した対策が求められているが、すでに挽回のチャンスを逸しているのかもしれない。
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