無理をして東京に住む必要はない

短時間でしたが福岡に滞在し、街中を歩いてみて感じたことは「無理をして東京に住む必要はない」という以前来た時と同じ感想でした。

福岡はとてもコンパクトな街です。中心部の博多から天神にかけては歩いてもそれほど時間はかかりません。狭いエリアに商業施設が密集しておりとても便利です。

しかも東京にある全国チェーンのお店はほとんど揃っていて、不便さを感じることはありません。スタバも吉野家もコンビニも地方に来たことを感じさせません。

それなのに物価水準は東京に比べると2割から3割安く感じます。

例えば、朝早くからやっている元祖 長浜屋という長浜ラーメンの老舗ではラーメンが550円でした。東京では見たことの無いラーメンの価格です。

賃貸住宅の家賃も場所にもよりますが東京の半値近くです。にも関わらず中心部からの距離は東京ほど遠くありませんから移動時間も交通費も安く仕上がります。

そして東京のような無機質な街ではなく、全体に人が優しい感じがあります。タクシーの運転手さんも親切で、荷物を運んでくれたり丁寧な対応でした。

福岡に限らず、このように東京と同じような生活が実現できて、東京ほどストレスを感じない。にも関わらず生活コストは東京よりも安い。そんな地方都市はたくさんあるように思います。

ただ福岡が素晴らしいのは交通の利便性も高いことです。博多駅からは鹿児島にも東京にもダイレクトに行くことができ、福岡空港は街の中心からタクシーで2000円ほどで着いてしまいます。そして東京よりもアジアの中心都市へのアクセスが良いのもメリットです。

東京に常にいなければならない仕事であれば仕方ありませんが、たまに東京に行けば良い仕事や東京にいなくてもできる仕事であれば、東京のデメリットに我慢をしながら住み続ける必要はありません。

東京が大好きで海外移住などあり得ないといつも思っていますが、福岡や京都・大阪といった街に出かけるとしばらくの間なら東京から移住しても良いかと思ってしまう魅力を感じてしまいます。

また近いうちに福岡に来たいと思います。

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編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2025年11月14日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。