新米が「高すぎて売れない」のに、スーパーは値下げもできず在庫が積み上がっている。高値と混乱が消費者の米離れを招き、将来的には米価の急落で農家が打撃を受ける恐れが指摘されている。
- 新米が歴史的な高値で売れ行きが低迷
生産コスト高や異常気象で仕入れ価格が上昇し、5キロ4〜5千円台の高値が続く。家計の負担感から消費者が購入をためらい、店頭に在庫が山積している。 - 小売は「簡単に値下げできない」構造
スーパーは高値で仕入れており、値下げすれば即赤字になる。取引先との契約上も大幅な値崩れは避けたい事情があり、価格調整が進みにくい。 - 高値が米離れを加速
混乱した価格設定が続くことで、パンや麺に流れる動きが強まり、家庭用米の消費はさらに落ち込む懸念が出ている。 - 来季は豊作見通しで「急落リスク」も
農水省の予測では2025年産米は豊作見通し。消費が戻らなければ在庫が膨らみ、過去の例では米価が急落したケースがある。 - 高値→米離れ→暴落という悪循環の可能性
今の高値が消費を冷やし、結果として米価の暴落を招けば、農家の収益が急激に悪化する恐れが現実味を帯びている。
現状は「高すぎて買えない」「値下げできない」「将来は暴落するかもしれない」という三重苦で、誰も得をしない構図になっている。米市場を安定させるためには、備蓄米の運用や取引慣行の見直しなど、需給を整える政策対応が急務だ。
農政の迷走で農家も消費者も共倒れしてしまうのか