京都の錦市場に行ってみました。前回来た時に有次(ありつぐ)で購入したおでん鍋がとても良かったので、今度は真鍮製のすきやき鍋を探しに行きました。
前回錦市場に行った時は、歩いている人の半分以上が外国人で大変な混雑でしたが、今回は外国人の数がかなり減ったせいか通路は随分空いていました。恐らく、高市首相の台湾有事発言を受けた中国人の来日自粛の動きの影響があるのだと思います。
錦市場にある立ち飲みのお店には以前は良く出かけていましたが、次々と新しいお店が増えるようになってからは全く行かなくなりました。
新しいお店は外国人価格でどこも割高で、味もイマイチ。観光客をカモにするようなお店ばかりになってしまったからです。
特に目立つのが和牛の串を売っているお店です。
シャトーブリアンの串が一本5000円というインバウンド価格で売られています(写真)。キャビアをのせた牛串もあって、日本人はまず買わないような価格とクオリティです。
外国人で行列が出来ていたこの手のお店ですが、今回多くのお店には閑古鳥が鳴いていました。中国人の減少だけではなく他の外国人もそろそろぼったくり商売に気が付いてきたのかもしれません。
インバウンド観光客とは気まぐれで不安定です。高いお金を払ってくれるのかもしれませんが、彼らを相手にあこぎなビジネスをしていると、しっぺ返しを食らうことになります。
最近はインスタグラムなどのSNSで口コミの情報がすぐに広がります。錦市場の評判が下がれば、その情報は一気に世界中にシェアされてしまうのです。
錦市場は地元の人たちも買い物に行かなくなっただけではなく、既に多くの日本人観光客からも相手にされなくなってきています。このままでは、そのうち外国人からも飽きられて衰退していくような気がします。
京都の食を支えてきた歴史ある市場が観光客相手の飲食店に侵食され、最後は見捨てられてしまう。そんな最悪のシナリオにならないかとても心配です。
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編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2025年12月10日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。