2026年の抱負は「金持ちになるぞー」かな?

年頭の抱負は年が明けてから考えるのではなく、年末にあらかた考えをまとめ、年初からそれを実行したいものです。私の住むコンドミニアムにはジムがついているのですが、1月の初めはいつも混んでいるのです。普段見かけない方もいらっしゃっるのですが、そういう人に限ってやけに頑張ってルームランナー(トレッドミル)で走っていたりするのです。だけど、ひと月もすればほぼ元の状態に戻ってしまいます。つまり常連だけであります。

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同様の傾向はフィットネスクラブでもそう。私が通うあるジムも年初は本当に混むんですね。私の会社の70歳の同僚も先週ジムに入会したそうです。「同機は?」と聞けば「シニア割引きで安いから」と。ではなぜ年頭の抱負は続けられないのでしょうか?

答は簡単。ジャンプしすぎるからなのです。つまり、今までやったことも経験したこともない世界を突然目指すので続かなくなるのです。年頭の抱負とは1年間という中距離走なのでどうやってそれだけ走り抜けるか、それなりの戦略が必要だと思います。365日とはフルマラソンのようなきつさではなく、5キロか10キロマラソン程度の距離です。それを踏まえて皆さんが考える抱負が「持続可能」かどうか、そこを考える必要があります。

痩せたいという方の話は苦しくもあり、笑いもあります。先日もある方が「今年に入って1キロ痩せた」と自慢していました。いいんですよ、本人がそれで満足していれば。1キロだけの減量ならセンナ茶を飲めば一晩で減らすこともできますが、すぐに元に戻ります。一定の科学や知識も必要でしょうね。そう考えると無理をして頑張るとその反動も大きいリスクがあるともいえます。

で、年頭の抱負で多くの方の共通の話題と言えば「お金持ちになるぞー」でしょう。このお金持ちというのが厄介者で、その尺度がないのです。例えば宝くじで10万円当たれば金持ちになった気分だし、株で50万円儲けても「次は100万円儲けるぞ」と意気込むもののあまり儲かった実感がないかもしれません。この違いは何かといえば実際にお財布にお金があるかどうかの心理的要因が強いのです。財布に10万円入っていれば「懐が暖かい」わけで「今日は上手いものを食べるぞー」になります。一方、株で儲かっても「そんなの証券口座の残高が増えただけでしょ」で実感はほとんどないのです。

どちらが良いのでしょうか?私は両方大事だと思うのです。私は個人口座で運用している株式で時折「30%獲得キャンペーン銘柄」というルールを作っています。この資金で買った株で儲かったら儲けの30%を自動的に引き出して好きに使えるというルールです。以前には1000㌦(約11万円)ルールというのもあり、1000㌦以上儲かれば1000㌦は引き出して普段なかなか買わないものを買うようにしたのです。つまり自己宣言型でそれが達成できなければ飴玉はないのです。だから必死になります。

すると不思議で戦利品であるお金を懐に入れると、いつもなら「これは高すぎるから買えないなぁ」という気持ちのタガが外れて「これ買っちゃう」になるのです。自分の褒美という感覚です。

年頭の抱負はメリハリが必要だと思います。マラソンだって途中で水分補給や時として流動食を口にするでしょう。私は自転車で長距離を走っていた時はジャージーの後ろポケットにカロリーメイトのような食べ物を持っていてそれを食べながら走ることもありました。つまり365日という中距離走には褒美や補給も必要なのです。人間そんなにストイックに生きることは出来ないのであります。

では最後に「金持ちになるぞー」はどうやったら達成できるでしょうか?こればかりは秘策はないのです。ごく普通にダイエットの逆版だと考えたらよいと思います。つまり「出と入り」の管理なのです。「出」が「入り」より多ければ体重なら減りますが、お財布は軽くなります。ならば出をまずしっかり理解することから始めたらどうでしょうか?

例えば多くの方が携帯電話でお金がかかると嘆きます。そんな時は「月に7000円の出費は当たり前だ」という意識を変えてみたらどうでしょうか?格安携帯キャリアなら半額以下になります。だけど皆さん、言うんですよね。「いやだー、そんな聞いたこともないキャリアなんて」と。だけど聞いたことがないのはあなただけで世の中では普通に存在しているのです。当然デメリットもあるでしょう。それを把握して自分の携帯の使い方と見直す努力は必要だと思います。私の日本の携帯なんて使わない月は1700円しかかかりません。使う月でも3000円かかったことはありません。

そうやって支出を見直す、すると今度は自然に入りを見直すことになるのです。「普通預金に100万円あるけれど、これって金利が高くなったからもったいなくない?」という意識が出来るでしょう。更に「銀行預金より株の配当の方が高利回りみたいね」と。そうやって考えを一歩ずつ派生、進化させていくことでお金との付き合い方が上手になっていくのだと思います。

私はフィナンシャルプランナーではないので各人の状況に合わせたプランのお話は出来ないのですが、一般的には多くの方の普段の金銭の使い方は惰性的な場合が多いと思います。その惰性を変える、そして変えるには環境を変える、環境を変えるには自分の周りにいる人や付き合う人を変える、それには知らない世界に第一歩を踏み出すということではないでしょうか?

せっかくもうすぐ365日のスタート地点に立つわけですからせめて3か月続けられる背伸びしすぎない程度の目標から継続ずる力をつけられたら良いですね。

では今日はこのぐらいで。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2025年12月30日の記事より転載させていただきました。

会社経営者
ブルーツリーマネージメント社 社長 
カナダで不動産ビジネスをして25年、不動産や起業実務を踏まえた上で世界の中の日本を考え、書き綴っています。ブログは365日切れ目なく経済、マネー、社会、政治など様々なトピックをズバッと斬っています。分かりやすいブログを目指しています。