オーストリアの首都ウィーン市内で10日と11日の外気が氷点下の日(冬日)、2人の男性のホームレス(路上生活者)が寒さの中で死んでいるのが見つかった。音楽の都、欧州のメトロポール、ウィーン市で2人のホームレスが凍死した、というニュースは多くのウィーン子にショックを与えている。
ゼレンスキー大統領「ロシアのミサイル、そしてウクライナを破壊しようとする試みこそが、ロシアが和平を求めていないのことの明白な証拠だ」2026年1月15日、ウクライナ大統領府公式サイト
ウィーン市では昨年末から朝は氷点下の気温が続き、一日中曇りで氷点下の日(真冬日)もあった。確かに今年の冬はここ数年に比べ寒い。そのような中、2人のホームレスが公園のベンチや路上で眠り、凍え死んだわけだ。慈善団体カリタスや支援団体の関係者は助けることが出来た人を救えなかったということでショックを受けていた。亡くなった2人の男性はなぜかホームレス収容所で保護されることを断っていたという。
ところで、オーストリアの国境からウクライナの国境まで最短距離は、物理的な国境の距離としては約500km~800km程度しかない。ウィーン~キーウ間の航空距離は1000㌔から1200㌔だ。地理的にも通常ウクライナの冬はウィーンより寒い。キーウから「開戦以来最も厳しい冬、凍えるキーウ」という速報が流れてきた。
「開戦5年目を迎える直前、ウクライナはロシア侵攻以来最悪の冬を迎えている。ロシアによる大規模な無人機とミサイルによる電力施設への攻撃により、数十万人が電気も暖房も使えない状態となっている。しかも、降雪、霜、夜間の気温は氷点下20度にも達する。ハリコフ、ドニプロ、クルィヴィーイ・リーフ、オデッサといった主要都市も影響を受けている。しかし、現在、最も深刻な状況にあるのは首都キーウだ。人口300万人のこの都市は、ロシアによるさらなる攻撃があれば、人道的大惨事に直面する可能性が高い」
キーウ市の冬、2026年1月15日、バチカンニュースから
冬の訪れが押し迫ってくると、ロシア軍は決まってウクライナのエネルギー供給拠点を集中的に攻撃する。エネルギー・インフラへの攻撃で最大の犠牲者は民間人だ。暖房施設が破壊され、停電下で生活をしなければならない。ウクライナの平均気温はマイナス以下になる。爆風で壊れた窓にはガラスの代わりにビニールで風を防ぐ。ウクライナ国民ばかりか、ロシア国民も願わない戦争が間もなく5年目に入る。
ロシアによる発電所への新たな攻撃を受け、ウクライナのゼレンスキー大統領は15日夕(現地時間)のビデオメッセージで閣僚に対し、迅速な解決策を見出すよう求めた。「何よりもまず、電力輸入と利用可能なあらゆるバックアップ電源の選択肢を増やす必要がある。また、地方自治体とエネルギー企業間の連携強化も必要だ」と付け加えた。
ゼレンスキー氏はエネルギー部門の状況について、政府関係者や地域の指導者と毎日協議していると発表した。さらに、発電所の保護について協議するため、ミハイロ・フェドロフ国防相とアナトリー・クリヴォノシコ空軍司令官と個別に会談したと述べた。「15日、ハリコフで再び激しいロケット弾攻撃があり、特に重要インフラが標的となった。ドローンはキーウに向けて飛行した」という。ゼレンスキー大統領によると、ロシアとの国境地域、ドニプロペトロフスク州、オデッサ州でも状況は厳しい。
報道によると、ウクライナのアンドリー・シビハ外相は、ユリア・ズヴリデンコ首相の要請を受け、ウクライナが「エネルギー・ラムシュタイン」会議を主催すると発表した。キーウは、エネルギー分野への支援に関して、キーウでの会合において同盟国からの追加的な貢献と具体的なコミットメントを期待している。シビハ氏は、「ウクライナはパートナー諸国から新たな二国間エネルギー支援パッケージが間もなく提供されることを願っている」と説明した。
ウィーンで2人の路上生活者が凍死した、キーウでは連日、電気も暖房もない中、多くの市民が体を寄せ合いながら寒さを凌いでいる。
編集部より:この記事は長谷川良氏のブログ「ウィーン発『コンフィデンシャル』」2026年1月17日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はウィーン発『コンフィデンシャル』をご覧ください。