トランプ大統領、グリーンランドでもTACOって欧州への関税を撤回

米トランプ大統領が欧州8カ国への追加関税発動を示唆した後、一転して見送る方針を表明した。背景にはデンマーク自治領グリーンランドを巡る権益問題やNATOとの協議があるが、政策の一貫性や外交手法に対する疑問が強まっている。欧州政府関係者や市場関係者からは、同盟関係を揺るがしかねない場当たり的な外交姿勢としての批判も出ており、国際政治と金融市場の双方へ波紋が広がった。

  • トランプ大統領は1月中旬、デンマーク自治領グリーンランドに関して米国が主導権を持つべきだとして、欧州8カ国に対し2月1日から輸入品に最大25%の追加関税を課すと表明した。この措置はグリーンランド取得への抵抗を弱める狙いとされたが、欧州側から強い反発が出た。
  • これに対し欧州の政治家らは、同盟国への関税は「脅し」や「経済制裁」と受け止められ、国際関係や自由貿易の基本原則に反すると批判した。
  • グリーンランドやデンマークでは、住民や支持者による抗議運動が各地で発生し、トランプ政権の圧力に対する反発が実際の市民レベルでも広がった
  • トランプ大統領は21日、スイスで開催された世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)でNATOのマーク・ルッテ事務総長と会談した後、関税発動を「見送り」にすることを表明した。将来の枠組み合意が形成されたとして発動を取りやめたが、詳細は不明確だとしている。
  • この見送り表明を受けて、米国株式市場は主要指数が急反発するなど短期的な市場安定効果が見られた
  • トランプ大統領の対応は、当初の強硬姿勢から一転して関税を止めるという場当たり的な変化を示しており、政策の一貫性や戦略性が疑問視されている。米メディア各社はこれを事実上の後退、あるいは外交カードの連続的な変更として報じている。
  • 記者会見や演説では、トランプ大統領が「グリーンランド」と「アイスランド」を混同した発言をするなど、政策の根拠説明に支離滅裂な側面が見られたとの指摘もある。

今回の関税発動見送りは、米政権の外交・通商政策が同盟関係と市場安定の双方に強い影響を与えうることを改めて示した。短期的には市場を落ち着かせた一方で、関税示唆から撤回に至る急旋回は政策の一貫性や信頼性を損なうとする指摘が多い。NATO加盟国に対する圧力外交は今後も国際秩序を揺らす可能性があり、グリーンランドを巡る権益争いも継続する見通しだ。外交において求められるのは、単発の脅しや情緒的な発言ではなく、同盟と市場双方を納得させる透明性と持続的戦略である。

スイスのダボス会議で演説するトランプ米大統領 2026年1月21日 世界経済フォーラム(ダボス会議)HPより