スマホの充電は寝る前にしてはいけない

黒坂岳央です。

SNSやニュースでスマートフォンの焼損被害を目にする機会が増えている。

1月22日に厚木でモバイルバッテリー充電中に燃えて木造アパートが火事 (NHKニュース)、1月21日には東京メトロ・日比谷線の電車内でモバイルバッテリーが燃焼した。また、充電中にモバイルバッテリーから火が出て消し止められたという投稿もある。

筆者は元々、人並み以上に心配性であり、「寝ている間の充電はしない」と決めている。

ムダに危機煽りをするつもりはないが、長年使い込んだ古い端末や、安価な海外メーカー製品を使用している人は注意して損はない。火事になれば自分一人ではすまず、周囲を巻き込む大惨事になる。

fcafotodigital/IStock

バッテリーやスマホによる火災が増えている

東京消防庁の統計を見ると、モバイルバッテリーやスマートフォンに搭載されている「リチウムイオン電池」による火災は、この10年で急増している。

リチウムイオン電池関連火災状況の推移(東京消防庁データより抜粋)

平成26年 19件
平成28年 55件(2年で約3倍)
平成30年 82件
令和元年 102件(初の100件超)
令和3年 141件
令和5年 167件(平成26年比 約8.8倍)

わずか10年で約9倍に跳ね上がっている。令和5年の内訳を見ると、モバイルバッテリーが44件で最多、次いでスマートフォンが17件となっている。

注目すべきは、その出火要因だ。

  • 「いつも通り使用していたが出火」:39件(23.4%)
  • 「充電中」に出火したケース:82件(49.1%)

使用者に明らかな落ち度がなくても、約4分の1の確率で「突然」出火している。そして、火災の約半数は「充電中」に発生しているのが現実である。

火災につながる3つの原因と対策

燃焼原因は大体決まっているので、そこを気をつければリスク回避が可能だ。

1つ目は安価なメーカー製品だ。出火した製品の入手経路はネット通販が59件(35.3%)と最多である。電器店で買う場合と異なり、安価な非純正品や、安全基準(PSEマーク等)が不明瞭な製品のリスクが浮き彫りになっている。

もちろん、世の中に100%の製品は存在しないが、粗悪品はそれだけリスクが跳ね上がるのでここを避けるだけでもリスクヘッジになる。

2つ目に「寝ながら充電」をやめることだ。データ上、火災の約半数が充電中に起きている。就寝中の充電が危険視されるのは、発見の遅れと布団や枕など、熱をためやすいからだ。

「通勤中にスマホが使えないのは困る」という人もいるだろう。その場合、大げさなようだが布団など燃えやすいものを避けて場所を選ぶのだいいだろう。

3つ目はスマホやバッテリーを落下させないこと。一度でも強い衝撃を与えると、目に見えない内部破損でそれが火災の原因につながりかねない。スマホは滑りやすい場所に置かない、胸ポケットに入れない、なるべく両手持ち、これを心がければかなり落下リスクを抑えられる。

筆者は過去のスマホで胸ポケットから何度も落とした経験があり、ようやくそこを学習して今のスマホは一度も落下させていない。

他にも細かい原因はあるが、上記3つをカバーすればそうそう頻繁に火事リスクは抑えられるだろう。

SNSで「スマホが突然燃えた」「間一髪で消し止めた」という投稿と、無惨に焦げた写真が流れてくることがある。これを見て「自分は大丈夫」と楽観視するのは早計だ。

ここで重要なのは、「投稿できている=家事になる前に食い止められた」という事実である。もし出火時に寝入っており、火災が家全体に燃え広がっていれば、被害者はSNSに写真をアップロードする余裕などない。つまり、我々が目にする事例は氷山の一角であり、かつ「運良く発見できたケース」に過ぎないのである。少し心配性なくらいでちょうどいいと思っている。

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なめてくるバカを黙らせる技術」(著:黒坂岳央)

働き方・キャリア・AI時代の生き方を語る著者・解説者
著書4冊/英語系YouTuber登録者5万人。TBS『THE TIME』など各種メディアで、働き方・キャリア戦略・英語学習・AI時代の社会変化を分かりやすく解説。