衆院選を巡り、参政党が自民党の高市首相支持層に接近する発言を繰り返しつつ、最終的には自民党との対立を鮮明にする姿勢に転じたことが波紋を広げている。高市人気を利用した投票誘導ではないかとの批判に加え、外交・安全保障政策や党運営の不透明さを指摘する声も強まっている。
参政党・神谷代表 参政党定例会見より
- 毎日新聞は、参政党が「高市首相とは政策面で共通点がある」としながらも、自民党に対し「ガチンコ」で競合する方針を示したと報じている。高市首相の支持層と政策を引き合いにしつつ、選挙戦での対立は辞さない姿勢を示した形である。
- 一方で、参政党側はこれまで「高市支持なら参政党へ」「自民が大勝すると高市首相が下ろされるから参政党へ」などとする発信を行い、高市人気を取り込みながら保守層の票を引き寄せようとしたと批判されている。
- これに対し自民党公式は、学生からの質問形式で「高市首相を応援したいなら他党にと言っている政党があるが正しいのか」という動画を公開。高市首相自身が「なんでやねん。他の党に一票入れたら総理大臣じゃなくなる」と反論し、参政党側の誘導を否定した。
- 神谷代表はその後、「高市のあの人当たりの良いキャラに乗せられて自民党に投票したら後悔するぞ」「自民が単独過半数を取るつもりでいる。そんなことはさせない」と発言し、当初の高市支持誘導から一転して自民党批判へ転じた。本音は倒閣や自民弱体化であったのではないかとの見方が広がっている。
- 批判者からは、参政党の投票誘導を「詐欺まがい」と断じられ、「高市支持を装った票の奪取であり、保守分断だ」とする指摘が相次ぐ。実際、小選挙区で勝算の低い候補を多数立て、自民候補と保守票を競合させる動きが確認されているため、結果的に中道改革連合側が漁夫の利を得る構図になるとの懸念が出ている。
- 党運営面では、参政党の看板である「政策DIY」や「ボードメンバー制度」が形骸化し、神谷代表が反対意見を排除してメンバーを入れ替えるなど「独裁的運営」との批判が上がっている。また、前言を容易に変更する姿勢や内部統制の不透明さが指摘されている。
- 安全保障や外交政策でも、参政党は「台湾有事に巻き込まれないことを最優先」などと発信し、台湾支援に消極的な姿勢を示してきたと批判されているほか、中国主導のアジア版NATO構想に理解を示しており、保守層の政策期待とも整合しないとの声が強い。
- ネットでは「高市支持は最初から嘘」「自民と高市を弱体化させるための政党」「保守分断のための候補者立て」「投票しないと後悔すると煽るのは詐欺師の手口」など厳しいコメントが続出している。
参政党は高市首相への政策的共感や支持層への接近を口にしつつ、自民党との対立と議席削減を狙う矛盾した選挙戦術を展開しているとの批判を浴びている。外交安全保障や党運営の不透明さ、言動の変遷と誘導手法への疑念も重なり、保守票分断を通じて自民党を弱体化させる政党ではないかとの見方が強まっている。