衆院選序盤、波乱がなければ高市自民が優勢か

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衆院選が始まった。(2026年1月27日公示、2月8日投開票)

選挙展望

結論として、序盤戦は高市総裁率いる自民党(与党)の優勢と見る。「勝利」と言わないのは、現状で「自民党単独過半数」まで届くと見るのは過度の楽観と感じるからである。

以下その根拠を述べる。

(ただし、現時点で起きていない海外紛争(特に米国)や国内での「テロ」や「デマの流布」が起きないことが前提条件となる。それらが生起した場合のリアクションは想定外である。)

根拠1:支持率他NHK世論調査(客観データ)

1月の定例世論調査から間もないが、NHKは足元で改めて調査を実施・発表した。短期間のうちに国内外の枠組みが大きく変化しているのでこの調査は有意義である。

石破政権が安定基盤を目指して打った前回と、重要政策・与党構成変化・安定基盤などの信を問う今回の、比較可能な各質問項目を並べたのが下記の表となる。

ここで筆者が着目した重要なポイントは次の3つである。

  1. 「内閣支持率」と「自民党支持率」
  2. 「投票先選びで重視すること」
  3. 「望む選挙結果」

以下、その理由を述べる。

1. 「内閣支持率」と「自民党支持率」

高市内閣は引き続き高支持率(支持59%、不支持26%)であった。この点が「民意を読み間違えた石破内閣(支持44%、不支持32%)との大きな違いである。

高市内閣は自らの高支持を一定程度自民党支持率(35.9%)につなげた感がある。過去平均から見た安定基盤に必要な支持率は「33.5%」と筆者は考えている。(根拠は関連記事ご参照)

今回それをぎりぎり超えてきたのである(※ただし、必要条件に過ぎず、必要十分条件ではない)。

高市政権発足時の「ねじれ現象」(内閣高支持、党低支持)という課題は短期的な見方に過ぎないがひとまずクリアしたとみてよいだろう。

(関連記事)

また、ここでは「特に支持している政党はない」という層の変化(34.4%⇒25.7%)にも注目すべきであろう。

2. 「投票先選びで重視すること」

前回に続き、今回も物価対策が最上位であるが、筆者が注目しているのは外交・安全保障が前回11%、今回が17%になったことである。

今回2番目に重視されている「社会保障と少子化対策」は、前回は別項目で質問されていた。合わせて25%だったが今回これらを合わせて18%に過ぎない。もしこれらが前回同様個別に分離した質問だったならば、外交・安全保障が2番目に重視される項目であった可能性は高い。

即時に実際の国家を担えるような外交政策を持ち合わせている党が自民党以外にあるとは思えない。特に「中道」は沖縄問題のスタンスの点で国際情勢の観点から非現実的に感じる。

更に前回「政治とカネ」問題は13%だったが今回は7%であり、野党が争点として争う効果の高さで考えると「旬」は過ぎたと見ている。

3. 「望む選挙結果」

単純化して言うと、前回の調査においては、「野党の議席が増加すること」「与党の議席が減少すること」が民意であることが示唆されていた。終えてみれば与党の議席数は279から215に減少し、民意は確かに選挙結果に反映された。

今回は穏やかながら「与党の議席が増加し過半数を確保すること」が民意ではないかと筆者は読んだ。

根拠2:主観的な観測

選挙戦初日である27日、筆者は外出先で、有力な野党候補の街頭演説に偶然遭遇した。

かつてこの地域で当該候補者は圧倒的な人気を誇り街頭演説となれば多くの支持者に取り巻かれて熱気を感じたものだが、この日は立ち止まって注目する聴衆が殆どいない不人気ぶりであった。

また、演説内容も「予算成立を急ぐべき今、解散選挙は時期的に不適切で傲慢だ」など政権・与党非難が主で、肝心の「中道」なる枠組み・政策といった自らの政治理念の説明が殆どない印象であった。(ただし演説全貌を聞いていたわけではないのでこれは本当に筆者の偏見である可能性が高い。)

ちなみにその候補者のポスターも見たが、近くで見ないと認識できないほど「中道改革連合」の文字が小さく、一見「無所属?」と見紛うほどであった。さらに筆者自宅に投函されたチラシにも「中道」の文字を発見できなかった。

この体感から得る直観から、今まで連敗していた与党側候補者にも今回は勝ち筋がありそうに感じる。ただしこれも筆者の視力・視点というフィルターを通した印象に過ぎない。

【まとめ】

これらの結果から、今回の選挙戦序盤は与党側にやや追い風が吹いていると考える。

各党・各候補者の善戦を心より祈ります。