売春規制の法制化が進みそうです。
売春防止法、買う側の勧誘行為も処罰案 法務省、検討会立ち上げへ
法務省は、成人間の売買春を規制する売春防止法を改正する方向で検討に入った。「売る側」だけに罰則がある勧誘罪の対象に、「買う側」を新たに加え、不均衡な規制の形を見直す案などがある。複数の政府関係者が明らかにした。
法務省は2月にも有識者を含めた検討会を設置し、見直しに向けた議論を始める。罰則の引き上げなどについても検討するとみられる。
高市早苗首相は「近時の社会情勢などを踏まえ、売買春に係る規制のあり方について必要な検討を行う」と答弁。平口洋法相に検討を指示し、法務省が同法の運用状況や海外の法制度などを調査していた。
昨年11月の衆院予算委員会。売る側の勧誘行為だけが処罰される現行法に疑問を呈し、買う側の処罰を検討するよう求める質問が出た。
高市早苗首相は、後ろの席にいた平口洋法相を振り返って答弁した。「じゃあ、売買春に係る規制のあり方について必要な検討を行うことを法相に指示します」
法務省内ではその後、検討会の設置に向けた準備が進んだ。ただ法務・検察関係者によると、それ以前から法改正の機運はあったという。
きっかけの一つが、悪質ホストクラブ問題だ。若い女性客が高額のツケを背負い、売春させられるケースが社会問題となり、昨年5月に風俗営業法が改正された。
そもそもこのきっかけはホストクラブの行き過ぎた営業であって、問題はホストクラブの規制です。ある意味統一教会と同じようなものです。それを規制すればいい話で、本来売春と無関係です。ところがホストクラブを規制する法律はない。
怖いのがこういう法規制がナチス的な「健康で明るい社会」を目指す高市内閣と、売春側の処罰をするなというトンチキなフェミニズム系の主張の合作となりそうなところです。
AV新法もそうでしたが、当事者のAV関係者へのヒアリングや参加がほとんどなく、フェミ的な人たち特異なイデオロギーの人たちの意見だけを聞いて、とんでもない悪法ができました。その反省が全く見えません。
かつては手塚治の漫画すら「悪書」であるとして実際に焚書されました。これと売春規制はこれと同じロジックです。
ぼくは売春は合法化すべきだと考えています。個人の道徳の範疇です。
売春で生活する権利があってもいい。無論誰かに強制されるというのは法的に禁止すべきです。
売春を規制すべきという主張は得てして、「清潔な社会」を目指す、退廃的な文化は破壊して、スポーツに励めばキラキラした社会ができるという危険な思想があります。一方の勢力はとにかく性的なものを売り買いするのはけしからんという余計なお世話なNPOなの主張ですが、どちらも「お気持ち」至上主義です。彼らは売る方は罰するなという主張ですがそれは麻薬を買う方だけ罰して売人は取り締まるなというのと同じです。
昔から売春は被害者がいない犯罪といわれます。これは麻薬の売買などと違うところです。道徳的に許せないから法的に禁止にしろという話です。かつての市川房江などの運動は女性の人権が損なわれるような社会的な環境があったからこそ意義があったのですが、いまは全く異なる環境です。
ぼくはきちんと国家が許可制で売春を合法化し、その許可を取った店のみで営業をし、風俗嬢含めてきちんと納税してもらう。そして意にそぐわない売春の強要は取り締まる。
禁止にすれば絶対に地下に潜って、むしろ摘発が困難になり、反社会的勢力の資金源になるでしょう。
不思議なことにギャンブルは悪だから違法です。個人がやったらつかまります。ところが公的機関として認められた、競馬、競輪、競艇、更には宝くじはOKです。これら公営ギャンブルで生活を崩して家庭が崩壊した例は枚挙にいとまがありませが国は国営ギャンブルをやめません。
個人がやったら犯罪行為が国家が後ろ盾になったらOKです。
仮に風俗店が全部なくなった、みんな性欲の発散のためにスポーツジムにいったり登山したりするんですかね?そもそも性欲の制御は難しい。性行為を教義で禁止され極めて高い倫理観と厳しい戒律をもつ、カソリックの最高位であるローマ法王ですら過去何人も肉欲に負けて性行為を行って子をなしています。同様に高位の聖職者も少年に男色行為、しかもレイプを行ってきたことは少なくないわけです。
仮にソープや風俗店が無くなっても現代ではSNSや出会い系サイトで簡単に個人にアクセスして個人営業の売春が可能です。それは売り手にも買い手にも大きなリスクを生みます。たとえば合意してホテルにいっても美人局や犯罪が起こる可能性は極めて高い。更に申せば反社が後ろにつくことも増えるでしょう。それを取り締まるだけのリソースが警察にあるのか?
そもそも女の三助さんがいるお風呂、世にいうソープランドでは中での性行為は自由恋愛という建前になっています。自衛隊が軍隊ではない、というのと同じような欺瞞です。そしてその他の挿入のない風俗は「性行為」ではないとされています。果たしてこれが法治なのでしょうか。
これら性的なサービスを含めた売春はすべて合法化すべきです。
売春の定義も問題でしょう。何らかの対価で性を提供することを売春と呼ぶならば、例えば男性がレスランでごちそうしてホテル代も持てば、これは「対価」を支払うことになって売春となるのではないでしょうか。であればそういう費用も法律で折半しないと理屈に合わなくなります。政治家が優先者に金ではなく現物配ってもアウトですから同じです。
売春をどう定義するのか。
例えばバーやスナックのホステスが客と寝るのは規制するのか?
それに抜け穴も問題です。例えばパチンコと同じシステムをとったらどうするのか。ソープで入浴料だけは現金でもらい、女の三助さんは客からプラスチックの札を「お気持ち」として受け取る、でそのあとに換金所に持ち込んで換金すれば三助さん(あるいは店)と客の金のやり取りはなくなり「売春」ではなくなる。それが違法だというのであればパチンコはギャンブルで完全な違法です。それを日本の政府や警察も黙認してきたのはどういうことだ、となります。
そもそもソープランドを自由恋愛の場としておいて、警察の都合で「売春」で摘発するというのは法の支配ではありません。警察官僚という桜の代紋のやくざの横暴です。これは法治ではない。
いい悪いは別として風俗でしか働けない人たちもいます。そういう人たちの生きるすべを偏狭なイデオロギーで奪っていいのか。例えば他の仕事では最低賃金でしか稼げない人が、風俗では高収入を得ることも可能です。毎日決まった時間に出社して週5日働くような勤務ができない、あるいは週に数日だけ風俗で働く方が性に合っているという人もいます。
OLで夕方や休日のみ風俗で働く人たちもいます。彼女たちの収入を減らすことが正義なのでしょうか。体を売らずに慎ましく清貧を貫けというのは第三者の勝手な主観の押し付けです。それを社会が悪いというのは短絡的で、短時間で稼げるなら売春上等という女性も存在します。では売春するなという側はどうやってその「悪い社会」を変えるのでしょうか?正義を叫べば平均的なOLの月収が何倍にも増えるのでしょうか。
無論メンタルに問題がある人たちは、公的機関がカウンセリングを完備するなり、一定の貯蓄積み立て制度を作るなどの制度の確立も必要でしょう。そのためには売春施設は許可制にして、公的な介入ができるフレームつくりが必要です。
また体を売ると倫理観が無くなるとか、心が荒むとか、若い時しかできないからいうのは第三者の大きなお世話ではないでしょうか。売春規制派は卑しい商売だからという主張をしますが、それは主観でしょう。例えば郵便局や銀行の窓口で絶対もうからない投信を、老人だましてうりつけるのは卑業ではないのか。何の法的な根拠もなく取材機会を独占している記者クラブの記者が高い倫理観を持って、誇れる仕事なのでしょうか。
医者にしても慢性痛に全く効かないどころか、血流を阻害してむしろ有害な湿布を山ほど老人に処方して金を儲けるのは卑しい商売ではないのか?
風俗は若い時しかできない、年を取ったらどうするのかというのであれば、モデルだってそうです。ほとんどのモデルは若い女性ばかりです。熟年モデルもいますが、若いモデルが老齢まで働ける市場はありません。
将来が不安定ならば役者や物書き、芸事の世界も同じです。50歳過ぎても居酒屋のアルバイトで凌いでいる俳優なんていっぱいいるわけです。これも禁止にしますか?という話です。厳しいことを言えば若いころから本業で食えないという点では風俗嬢以下の存在ではないでしょうか。
本人の自由の尊重と、売春の地下化に潜って犯罪化を防ぐには売春の合法化しかありません。
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編集部より:この記事は、軍事ジャーナリスト、清谷信一氏のブログ 2026年2月3日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、清谷信一公式ブログ「清谷防衛経済研究所」をご覧ください。