エプスタイン問題で労働党政権が存続の危機?:勢い増す極右政党

英国のキア・スターマー首相率いる労働党政権が、ジェフリー・エプスタイン疑惑を巡る政治危機に直面している。2008年に性的人身売買などの罪で有罪判決を受けたエプスタイン氏との関係が指摘される人物をめぐる任命が発端で、政府内外に激しい批判が広がっている。

発端は、スターマー首相が重要な外交ポストである駐米大使にピーター・マンデルソン氏を任命したことだ。マンデルソン氏は、過去にエプスタイン氏と関係があったとして再び注目を集め、これが露見した結果、首相の最側近である首席補佐官や広報責任者が辞任した。

ピーター・マンデルソン氏 Wikipediaより

この辞任劇は労働党内に波紋を広げている。スコットランド労働党のアナス・サワール党首は、スターマー首相への退陣要求を公に表明したほか、一部の労働党議員からも不満の声が上がるなど、政権内の結束が揺らいでいる状況だ。

訪日も記憶に新しいスターマー英首相 高市早苗首相と 首相府公式サイト 2026年1月31日

スターマー首相は現時点で「辞任しない」と強く表明しているものの、支持率は低迷し、与党内外の不満は収まっていない。ある与党閣僚は、今週首相が政権を乗り切れる確率は「かなり低い」と述べたとの報道もあり、政治的混乱が続いている。

一方で、この政権危機は極右政党や保守派勢力の勢いを強める追い風となる可能性も指摘されている。保守党や改革系の政党は、スターマー政権の無能さや倫理的問題を批判し、支持を拡大しようとしている。特に次期選挙や地方選では、失われる支持を埋める形で極右・反体制勢力が票を伸ばすとの見方も出ている。

ナイジェル・ファラージ リフォームUK党首インスタグラムより

エプスタイン疑惑によるリーダーシップ危機は、英国政治にとって単なるスキャンダルではない。政権内部の分裂と不信が広がる中で、伝統的な中道左派政党の支持基盤が揺らぎ、政治の極端化が進行する懸念がある。スターマー首相がこの危機を乗り切れるか否かは、英国の政治地図そのものを左右する重大な試金石となっている。