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結論から言う。空き巣が一番「おいしい」と思う時間帯は、深夜じゃない。昼間だ。
いや、もちろん深夜の犯行もある。ドラマや映画のイメージそのまま、黒い服を着た男が夜中にガラスを割って忍び込む——そういうケースがゼロとは言わない。でも、現実はもっとえげつない。
「あなたの家は狙われている!? 警備のプロが教える防犯の新常識」(倭文浩樹 著)きずな出版
共働きの家庭が増えた。子どもは学校。夫婦は仕事。朝9時から夕方5時まで、家は完全に空っぽ。犯人にしてみれば、8時間の「フリータイム」を毎日プレゼントされているようなものだ。
しかも昼間は人通りがある。人通りがあるということは、逆に言えば、一人くらい知らない人間が歩いていても誰も気にしない。作業服でも着ていれば「工事の人かな」で終わり。宅配の制服なんか着られたら、もう完璧だ。むしろ「ご苦労さま」と声をかけられるかもしれない。
話を戻すと、昼間の泥棒の手口は「さっと入って、さっと出る」が基本だ。鍵のかかっていない窓を見つけたら、ものの数分で勝負がつく。帰宅して「あれ、財布がない」と気づく。リビングの窓が開いている。そこでようやく、やられた、と。
そういえば、最近気になっているのがSNSだ。「家族でランチ中♪」とか「これから買い物〜」とか、リアルタイムで投稿する人がいまだにいる。
あれ、犯人に「いまこの家は留守です」と教えているのと同じだ。位置情報までつけている投稿を見ると、もう何と言っていいか。自分の家の鍵を玄関の前に置いて出かけるようなものだろう。
対策? 難しいことは何もない。出かけるときは鍵をかける。窓を閉める。センサーをオンにする。それだけだ。「ゴミ出しの2分だけだから」が命取りになる。たった2分。犯人にとっては十分すぎる。
郵便受けにチラシがたまっている家も危ない。「この家、しばらく誰も帰ってないな」と一目でわかる。夜になっても真っ暗な家も同じだ。タイマーで照明をつけるくらいの工夫はしたほうがいい。
「明るいから大丈夫」。その一言が、一番危ない。
※ ここでは、本編のエピソードをラノベ調のコラムに編集し直しています。
尾藤克之(コラムニスト、著述家、作家)
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