6万人近くが首都トビリシでデモ。大統領の辞任を求めて座り込みをしているらしい。
英国BBCの報道はコチラから。
コチラはアルジャジーラ放送英語版。
去年の主に南オセアチア地方を巡るグルジア紛争は、西側においてはあたかも「ロシアの一方的軍事行動」のように報道され、また一般的に理解されている。しかし実際には場所柄をわきまえず、極度の親米反露路線をとった現職サーカシビリ大統領の「ヤリ過ぎ」という面が強い。実際に先に喧嘩をふっかけたのはグルジア側だし、紛争中における、ロシア系住民に対するグルジア兵士たちの暴行/虐待なども問題となっている。
今回のデモは、グルジア国民の多くも後者の見方をしているという証左だろう。
デモ参加者の「声」(報道担当者がどういう意図で編集しているのか知らんが)は、親米反露路線の修正ということでなく、大統領自身の手腕への疑問という面が強調されている。
願わくばサーカシビリさんには早いとこ退陣でもなんでもしてもらい、事態を収拾してほしい。ロシアがまた「グルジア国内のロシア系人民の保護」なんて大義で介入してきて、また軍事紛争に発展、原油価格の高騰なんて事態になっちゃったら目も当てられん。原油価格の値上がり自体はロシアの望むところだ。
もともとアメリカ国務省プロパーが支持していたシュワルナゼ前大統領を追い出して大統領に就任したサーカシビリ氏は、ジョン・マケイン上院議員のルートを通じて対米関係修復を行ったという過去がある。(実際にはネオコン・ロビイスト、ランディ・シューネマン氏がサーカシビリ・グルジア政府の依頼を受けた。シューネマン氏は去年のアメリカ大統領選挙において、マケイン候補の外交問題顧問だった。)
オバマ政権下、ヒラリー国務長官のもと、ホルブルック氏をはじめ、国務省プロパーが復権している中で、ワシントンにおけるサーカシビリ氏のシンパはもう数えるほどもいないんじゃないだろうか。
アメリカとしても今のままでは、親米派急先鋒のサーカシビリ氏が、グルジアのNATO加盟への一番の障壁になっている状態だ。
なんかブッシュ政権下のネオコン外交が残していった悪い冗談の置き土産みたいな格好だ。