ICPF・新たな時代のメデイア・コンテンツ政策-山口 巌

アゴラ編集部

前回の「電波政策」に続く後半部分である。国民を幸せにしてくれるどんな政策提案が聞けるか期待したが極めて低調な内容(未来への提言等何一つ無く出来ない事への言い訳と愚痴のみ)であった。

■何故政策が無策なのか議論の内容私なりに取り纏めると:
1.権利保持者:取り敢えずオールドメデイアで食えてるので冒険しない。
2.オールドメデイア:今の状況が取り敢えず快適。コンテンツをネットに流すと競合業種の参入を結果許す。
3.行政:総務省・経済産業省・経済企画庁の3省庁に分断。管理者不在。
4.著作権法:ややこしすぎてとても使い物にならない
5.フェアーユース:出席者の間でも評価定まって居らず視界不良
個人的にはフェアーユースで何とか打開出来るのではと期待していたがそう簡単な話ではないようだ。
下記は東京大学、玉井克哉教授(知的財産法)よりのメールの一部を本人許諾戴いた上で参照するもの。


「「フェアユース条項があったからアメリカでGoogleやYouTubeが出てきた」という議論もありますが、それは違うでしょう。Google Book Search みたいに他人の著作物を営利目的で大量にコピーする行為がフェアユースだというのはおかしい。あれがフェアユースになるなら、フェアユース条項の導入に賛成する権利者は一人もいなくなるでしょう。グーグルのすごいところは、「時代は変わる。時代に合わない法律なんて、徹底的に無視していい」と確信していることです。アメリカの著作権法が日本著作権法とまったく同じだったとしても、彼らは同じことをしたはずです。そうしたアニマル・スピリットこそ、成功の秘訣だと思います。」

アメリカは無条件では無いにしてもGoogleを許容する社会土壌があるのは確か。一方、翻って日本は?「ホリエモン」事件が全てを物語っているのでは?

結論:オールドメデイアには何も期待出来無いしすべきでも無い。

■パラダイムシフト:テレビからネットへの移行は日々加速しており今後もこの傾向は継続する。従ってコンテンツ配給に就いても、従来のテレビ:主、ネット:従→テレビ:従、ネット:主に転換するのにそんなに時間かからないだろうし、もしかしたらこんな体たらくではテレビは極めてマイナーなメデイアに転落するかもしれない。

■ネットトレンド:クラウドとリアルタイムモバイルコンピューテイングが目下のトレンドだがこれは当分続く。

■提言:新たな時代のメデイア・コンテンツ政策は無線通信を前提に考えるべき!
    (新たな時代のメデイア・コンテンツ政策とは実は新たな電波政策に他ならない)

■具体論:アメリカ同様500MHZの確保を目指す。How to は
1.既存電波帯域の整理整頓(昔はそれなりに意味があったとしても今は全く使われてないとか、全国で3人しか使ってないとか或いは携帯電話で充分とか用途が形骸化してるものかなりある筈)
2.土地の地上げ同様応分の「立ち退き料」支払ってどいて貰う。金額に就いては当然ある程度揉めるであろうが電波使用者は法人格であり土地の場合の様な「個人」特有の煩わしさは無い筈。
3.「立ち退き料」財源はオークション収入のレベニューシェアで充当(電波帯域オークションはマスト)

※この帯域にアニマルスプリッツの持ち主、様々なクリエーター、サービス設計・事業企画の天才達が集結すれば必ずや「日本再生」の牽引車に成ると確信する。又、テレビ等の過去のコンテンツはテレビで食えなくなれば自然ネットに出てくるので無線通信での成功が結果コンテンツのネット参入を加速する結果となる。

山口 巌 会社員