上海に進出する日本人投資家の話 - 小谷 まなぶ

2010年05月28日 23:32

 上海は、日本人が多い街で有名である。一説には、日本人が、駐在者、長期滞在者などのビジネス滞在している日本人が8万人から10万人いるといわれる。そのような状況下で、近年、日本のサービス業が上海へ多く進出している。


その中でも、日本の飲食店が、上海で出店するという案件が、ここ数年で急激に増えている。世界一人口の多い中国では、『食』のビジネスは、チャンスは非常に大きい。しかし、日系のレストラン、居酒屋チェーン店、中小の飲食店の出店が、多数行なわれているが、大きな成功を収めた日本企業が少ないことは、現地の日本人の間ではよく知られていることである。厳密に言えば、中国において、日本人経営で、飲食店を多店舗経営して、成功している事例をほとんど見ることがないのである。
 
 『味千ラーメン』などの日系ラーメンチェーン店があるが、中国展開をしている実際のオーナーは、香港人であることは有名である。
 日本人が、中国でビジネスを成功させるには、やはり、一番に障壁になるのが、言葉の問題である。中国語が出来なければ、従業員との業務連絡も出来ず、社内が混乱したとしても、収拾が付けられないのである。日本からの投資者の中で、考えられるビジネスで、割合、参入障壁が少ないと思われるのが、飲食店の出店である。個人投資家の方も、参入したがる業界は、『飲食店』である。
日本から退職金を全額持ってきて、中国ビジネスに投資してみたいと思う個人投資家も結構いる。そのような方と会って話をする機会があるが、皆、口を揃えて言うことは、『日本で投資して行なうビジネスがないから、上海で事業を行なってみたいと思った・・・』
 しかし、そのような多くの投資者が、まったく中国語が出来ない状況で、中国でビジネスを行なおうとしている現状がある。
 パターンを言えば、『信用できる中国人の友人がいるので、私は、彼に頼って、この街でビジネスをすることにした。』と話し、中国ビジネスを展開する場合が非常に多い。
 しかし、このような投資者の多くは、『2,3年もすれば、上海の街から居なくなっている。』 結果から言えば、ほとんどの方が失敗をしているということになる。
中国で事業投資を失敗した人の多くは、『中国で騙された。信用していた現地の友人から裏切られた。』と言うのである。私から見れば、『中国でビジネスするのに、現地の法律、現地の慣習、そして、現地の言葉がまったく理解できないで、中国ビジネスができるわけがないのである。中国人も、上海ビジネスについて話をするときは、このように語る。『中国人にとって、一番ビジネスが難しい街は、上海である。上海で成功できれば、中国全土で成功できる。上海は、中国最大の経済都市で、中国全土からビジネスで自信がある奴が集まってくる。だから、この街でのビジネスは難しいのである。』
私は、中国進出のアドバイザーとして仕事をしているが、そのような無謀な投資者が後を絶たない。その種の投資者の事後処理相談をうけることが多い。しかし、失敗してしまってから相談をされても、まったく後の祭りである。
日本では、中国ビジネスに対する熱が、高まっている。中国のことを知ろうと努力しないで、日本の常識、日本の感覚だけで、中国ビジネスを行ないたいと思っても、成功する確率は、ほぼないのである。
中国でビジネスをするならば、中国ビジネスについての基本を学ぶこと。そして、語学を学び、そして、現地、中国人の利益を考えることが、中国ビジネスを成功させるための鍵になる。

■小谷 まなぶのオフィシャルブログ

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