小沢氏は『日本改造計画』の原点に帰れ - 池田信夫

2010年08月28日 08:46

小沢一郎氏の出馬は民主党が、そして日本が立ち直る最後のチャンスかもしれません。日本の政治が低迷している原因は、90年代以降の世界の変化に対応して日本が大きく軌道修正しなければならないのに、自民党政権のころの「官僚丸投げ」が続いてきたことです。それに対して政治改革を実現しようとして自民党を割った小沢氏の行動は、それがたとえ党内の権力闘争に敗れた結果だったとしても、間違っていなかった。


そのとき彼の書いた『日本改造計画』は「小さな政府」をめざす理念が明確でしたが、その後の小沢氏は政局の読みを誤って自民党政権の復権を許してしまい、政党は離合集散を繰り返して、経済の低迷はますます深刻化しました。

その中でも、自由党のころまでの小沢氏は一貫していましたが、民主党との合併以降おかしくなり、最近は菅首相より社民的な路線を打ち出すようになりました。これが田中角栄以来のバラマキ路線に戻ったのだとすれば、彼に何の期待もできませんが、彼の持論が「保守二党論」であることから考えると、これも権力を取るための戦術的リップサービスかもしれない。

『改造計画』は今となっては古い面もありますが、欧米諸国は80年代以降、多かれ少なかれこうした自由主義路線に舵を切り、それに対して「第三の道」といった形で修正自由主義が出てきました。ところが日本では、民主党も自民党も「大きな政府」志向で、国民に選択肢がない。基本路線がはっきりしないまま20世紀的なバラマキ福祉を続けてきたため、財政破綻の危機が切迫しているが、それをどうしていいかわからない。

率直にいって、どんな政権でも今の「死に体」になった菅政権よりはましでしょう。これまで20年間にわたって「闇将軍」として日本の政治を混乱させてきた小沢氏を一度は首相にして、彼のやりたいようにやらせてみてもいいのではないでしょうか。小沢氏には民主党の混乱した路線を清算し、『改造計画』のころの明快な主張に戻っていただきたい。彼がそういう国家戦略の大転換を打ち出すなら、政治とカネなんて些末な問題です。

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池田 信夫
アゴラ研究所所長 SBI大学院大学客員教授 学術博士(慶應義塾大学)

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