落選させようTPP反対派議員-関税で農業は救えない!!

2010年11月11日 10:38

米の消費量の減少に歯止めがかからず、農業従事者の平均年齢が65歳を超え、農業人口が200万人を割る寸前の日本の現状を考えると、関税障壁を維持する事が食料自給に必要だと言う主張は、正気の沙汰とは思えない。

TPPを巡る論争が熱くなった矢先、鳩山由紀夫前首相や国民新党の亀井静香代表、山田正彦前農水相などを発起人とした与党の国会議員が、TPP反対の気勢を挙げたと言う。

米に700%以上、小麦に200%以上の関税をかけ続けても農業の衰退は止らなかった。この現実は、TPP反対派議員の主張が、食料自給に名を借りた集票戦術に過ぎない事を物語っている。


大島自民党副総裁の「希望のある一次産業政策無しのTPP参加反対」と言う考えは理解出来るが、それなら、先ず希望の持てる一次産業政策を提案すべきである。

保護主義に弱い経済構造を持つ我が国が、他国には市場開放を求めながら、自国の事になると保護主義を主張する様では国際的な信頼は得られない。専門家の中にはEU諸国の農業保護を口実に使う人も多いが、それなら日本もEU諸国同様に、食品を課税対象から免除した上で、20%を超える消費税を課して財源を確保した上で、産業政策の一環として本格的な農業振興政策を行う勇気が必要である。

私は、農家への直接支払いの方が関税障壁や大型公共投資よりはましだと思っているが、問題は農政に一貫性とマクロ的な視点がない事である。意欲ある専業農家に絞って直接支払いを行う事で、競争力のある農家を増やし、魅力ある農業にする筈であった民主党の戸別所得補償政策だが、TPP反対派議員を中心としたばら撒き議員の圧力に負けて、農家の大小に関係なく支援する旧来の総花的ばら撒き政策に後退してしまった。

農業に旺盛な意欲を持つ若き農民と懇談すればすぐ判る事だが、真面目な農民の多くは農業議員の推進する農政の犠牲者だと言う意識が強い。国内で農業を自由化すれば、無駄は減り、工夫が報いられる魅力ある農業が復活する可能性は残されている。日本の持つ農業技術と篤農家の創意を生かせば、日本農業が食品のルイヴィトンとして、世界の高級食品市場を席巻する夢も持てる。

残念ながら日本の農業政策は、農民の利害とは関係の無い膨大な公共投資に加え、全農、農協、農林中金など農民を食い物にして来た農業関連団体と、その団体を集票マシンとする政治家の為の農政であった。

例を農林中金にとろう。つい最近まで、理事長は歴代農林水産事務次官の天下りポストで、銀行免許を持つ金融機関でありながら金融庁ではなく農林水産省の所管となっている。又、農協の系統中央機関の役割も持ち、割引債の発行特権や農民からかき集めた金で70兆円を超える総資産を持つ国内最大規模の機関投資家であるが、農民の為の投資は皆無に近い。然も、投資の失敗による経営危機を巨額な公金投入で救われた歴史を持つ。

農水省の援護の下に農協など3団体がが中心となって、非農家の農業参入の妨害をして休耕地の山を築き、生産性を下げるカルテルを形成し、農業を魅力の無い産業に追いやった。

産地では一個10円にもならない卵が、都会ではゆでただけで100円以上で売られる極端に高い流通経費が、農民の所得を圧迫している。更に、栄養価や味には関係の無い色や形に拘る農林規格の強制と、その尻馬に乗った農協が農民に無駄を強い、生産性を抑える結果を生んでいる。減反政策も真面目な農民の意欲を奪った悪政である。

TPP反対の合唱は「ごはん食推進委員会」が1990年代に作った「ハラヘリヘリハラ 飯食ったか?」というフレーズに似た時代遅れの臭いがする。これ以上生産性を向上させる事の難しい米作中心農業からの脱却は避けられない。EPA,FTAでも周回遅れの感の深い日本が、今後も保護政策を続ければ、農業が更に衰退し製造業の海外脱出を助長するだけである。

自然資源に恵まれない日本は、元々自給自足経済は不適な国柄で、日本のエネルギーの生命線であるマラッカ海峡や東京湾をテロリストに封鎖されたら、食品自給もすっ飛んで仕舞う事も忘れてはならない。

日本の農政の失敗は、堕落した農政を許し、篤農家いじめを黙殺してきた消費者にもある。日本の農業再生には、保護主義的な農業族議員を次回選挙で落選させるしか道はない。一票の重みの見直しと共に、消費者が参政権と言う武器を行使し、TPP反対一辺同の偽農業議員を追放する事も、責任の一つであろう。

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