デジタル教科書導入についての期待と課題 - 平本将司

2010年11月24日 15:54

とあるきっかけでデジ教研に入会し、数カ月が経ちます。ICTに詳しくもない現場の教員がどこまで議論についていけるのか、と不安を抱きつつも思い切って入会をしました。 これまで、様々な意見を伺い、つたない意見を申し上げ、勉強させていただきました。そこで、現状においてデジタル教科書に期待すること、そして悩んでいることを考えてみたいと思います。それは「デジタル教科書」なのか「デジタル教材」なのか、ということです。


■まず、「教科書」とは何でしょうか。

「教科書」について、文部科学省はこのように定義しています。

教科書とは、「小学校、中学校、高等学校、中等教育学校及びこれらに準ずる学校において、教育課程の構成に応じて組織排列された教科の主たる教材として、教授の用に供せられる児童又は生徒用図書であり、文部科学大臣の検定を経たもの又は文部科学省が著作の名義を有するもの」


(「図書」であれば、紙ということになりますかね。果たして、電子書籍化された「デジタル教科書」が「図書」に該当するのかどうか…。)

また、「教科書の種類と使用義務」はこう述べられています。

すべての児童生徒は、教科書を用いて学習する必要があります。教科書には、前述のとおり文部科学省の検定を経た教科書(文部科学省検定済教科書)と、文部科学省が著作の名義を有する教科書(文部科学省著作教科書)があり、学校教育法第34条には、小学校においては、文部科学大臣の検定を経た教科用図書又は文部科学省が著作の名義を有する教科用図書を使用しなければならないと定められています。

この規定は、中学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校にも準用されています。なお、高等学校、中等教育学校の後期課程、特別支援学校並びに特別支援学級において、適切な教科書がないなど特別な場合には、これらの教科書以外の図書(一般図書)を教科書として使用することができます。

■次に、学校で使う「教材」とは何でしょうか。

例えば、漢字・算数ドリル、社会科資料集・地図帳などです。(絵の具・裁縫道具セットなどもですが、さすがにこれはデジタル化できませんね。)「使用しなければならない」ではなく、使用した方が学習効果があるとされているものです。教員の自作教材もあれば、市販の教材もあります。

ここ最近、良質なデジタル教材を多く見かけるようになりました。しかし、学校現場での利活用(効果)は十分だとは言えないでしょう。教材に「使用義務」はありませんので。ついでに言えば、教科書は無償ですが、教材にかかる費用は保護者負担です。

デジ教研発起人である片山先生が言われている(ぼくなりの解釈ですが)ように、教科書は学校で使わなければならないものなので、紙の教科書がデジタル教科書に変われば、教育におけるICTの利活用(効果)は一層拡充していくのではないかと期待をしています。

■最後に、教育におけるICT利活用(効果)を推進していく上で、考えるべき課題があります。1つの記事を紹介します。

文部科学省「学校教育の情報化に関する懇談会」委員である国立情報学研究所新井先生のご意見です。

ぼくは、この考えに賛成です。今求められている、論理的思考力・豊かな表現力は、単に「デジタル教科書」や「デジタルコンテンツ」を利活用したからといって育成されるものではないと考えています。使い方を誤ると、そういった力の育成が阻害されることも有り得るかもしれません。

教育におけるICTの利活用(効果)は進めていくべきだとは思っています。しかし、「デジタル教科書」なのか、「デジタル教材」なのか…結論を出せていない、というのが本音です。デジタル教科書について、議論のたたき台として、提起いたします。
(平本将司  みんなのデジタル教科書教育研究会会員 twitter

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