行き詰まり始めた政治を打開するのは地方か

2010年12月06日 15:50

菅内閣の支持率が20%台にまで低下しただけでなく、民主党の政党支持率も、野党第一党の自民党も、JNNの世論調査、読売の世論調査ともに、民主党、自民党共に支持率が低下し、両政党が20%台で拮抗する状態となりました。産経の調査だけは、政権交代後初めて自民党が、民主党の支持率を上回ったとしていますが、誤差の範囲でしょう。
菅内閣への失望感がたかまるなかで、国民の支持を集める魅力をもった政党がなくなり、政治は混沌とした不安定な時代に入ってきたようです。むしろ話題は地方に移ってきているようにも感じます。

現在は、互いに激しいシェア争いを展開すると、厳しい価格競争が起こり、それぞれのブランド力が低下するだけでなく、市場そのものがさらに衰退していくマーケットの現象とよく似た動向となってきました。

政党支持率の推移を、日本テレビの世論調査でみると、第一次小泉内閣発足当時の自民党支持率が46.6%、郵政選挙翌月の2005年9月の自民党支持率は49.3%。政権交代翌月の民主党の支持率が46.2%であり、当時と比べ、民主党も自民党も支持率も20%前後では、いずれも国民の支持を得ることに失敗している状況です。
ちなみに、この支持率推移のグラフは、カーソルを当てると、それぞれの調査時点での各支持率が表示され、面白いのでリンクを張っておきます。
政党支持率推移

増えてきたのは、支持政党なしの無党派層です。読売の調査でも無党派層は先月の37%から43%に増加してきています。産経新聞は一年前と比較していますが、21・6%から38・8%に増えたとしています。つまり無党派層のほうが多くなってきています。それは最大勢力が無党派層になったということです。もっともその極端な結果が出ているのが時事通信社の行っている世論調査で、支持なしが57.4%に達しており、民主党は16.2%、自民党は16.5%の支持率しかありません。
図解・時事世論調査】政党支持率の推移

自民党は消費期限切れだということで、政権交代が起こりましたが、民主党も蓋をあけてみれば、不良品だった、いずれも買う気はしない、国民の期待値に達していないというのが国民の今の気持ちではないかと思います。

この状況は、民主党や自民党以外の政党には有利なはずですが、政局に巻き込まれている限り、限界があるものと思います。
政党支持率が、マーケティングでいうシェアだとすると、いずれかの政党が、思い切った発想の転換、戦略の転換を行わない限り、安定したリーダーが生まれないシェアの構造となってしまっています。
際限なく、主導権を握るための競争が繰り返され、政治が衰退していく構造です。

そんななかで、注目をあび、熱くなりはじめてきているのは地方政治のほうです。名古屋のリコールが不成立となりましたが、不足分の1万2004人を超える無効異議申立ての署名が集まっているようです。
鹿児島の阿久根市では、リコールが成立し、竹原市長が失職するという事態が起こりました。しかし賛成反対が拮抗しており、市長選で竹原市長が再選される可能性もあります。
関西では奈良県がそっぽを向いていますが、近畿中心の7府県が参加する特別地方公共団体「関西広域連合」が始動し始めました。実際の政策の中味がどうかというよりは、なにか変化をつくらなければもう地方は成り立たないという危機感からの動きが、地方から生まれはじめてきています。

革新は周辺から起こるといわれています。中心の坩堝にいるプレイヤーは、さまざまな思い込みから発想転換できず、またわかっていても変われない事情をたくさん抱え身動きがとれないのですが、周辺からやってきたプレイヤーは、思い切った新しい発想を持ち込めるからです。

もし、この地方の政治改革のエネルギーと手を組む政治勢力が生まれてくれば、もっとも現実的な政治再編流れがが生まれてくるかもしれません。

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大西 宏
株式会社ビジネスラボ代表

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