「日本財政」の異常事態はいつまで続くのか?

2010年12月21日 08:00

日本財政はもはや危機的状態にある。平成23年度予算編成は、国債費を除く歳出を71兆円以下、財政赤字(国債発行)を44兆円以下に抑制する方針で進められた。だが、一般会計の歳入のうち、財政赤字(44兆円)が税収(41兆円)を上回るという異常事態が2年連続で続いている。


戦争混乱期の昭和21年度に財政赤字が税収を上回ったことはあるが、戦後において、当初予算で財政赤字が税収を上回ったのは平成22年度予算が初めてであった。私たちは今、約60年振りの異常事態に直面している。

問題は、「日本財政のこのような異常事態がいつまで続くのか?」ということである。

また、平成23年度一般会計の歳出は92兆円前後とする見通しだが、現時点では歳入不足が4兆円規模にも達し、もはや枯渇しつつある特別会計等の積立金を活用しない限り、財政赤字(新規国債発行)44兆円以下とする目標を遵守できない可能性も出てきている。

しかも、この財政赤字44兆円以下の目標は、税収が財政赤字を下回る異常事態を考慮すれば「甘々の目標」であるが、この目標が達成できても、それは新規財源債のみで、借換債などを含む国債発行額は平成23年度で170兆円超に及ぶ見込みである(図表)。

図表:国債発行総額の推移
国債発行総額

このため、財務省は、国債の安定消化を図る観点から、2011年度の国債発行計画で、生保等の機関投資家に需要が見込まれる30年債や40年債といった超長期債を増発する方針を決定している。

だが、平成13年度以降、国債発行総額は100兆円を超え、いまや170兆円に迫る勢いであり、完全に「借金を返済するために借金をする」という自転車操業に陥っているのは明らかである。

いまは景気が低迷し国債利回りが1%前半で推移しているから、国債利払費は10兆円程度で安定している。だが、税収が国債発行額よりもずっと少ない日本では、景気回復の過程で、国債利回りが上昇すると、財政収支が悪化して、財政危機が顕在化するリスクが高まっている。

一般的に、景気後退期の財政再建は得策ではないが、もはやそのような原則が当てはまる状況でない。また、景気回復への期待も、労働人口が減少するなかで、従来のような成長を持続的に達成できるかは不透明である。

いまの政治は混迷を深めているが、一刻も早く、このような異常事態から脱出する必要がある。毎年1兆円のペースで増加する社会保障予算の膨張により、もはや歳出削減も限界に達しつつある今、消費税を含む税制と社会保障の抜本改革から逃避することは許されない。

拙書「2020年、日本が破綻する日」(日経プレミアシリーズ)では、そのために必要な再生プランの骨格を提案しているが、手遅れになる前に、政局重視(足の引っ張り合い)でなく、与野党含め、政策重視(前向きの戦い)での「連携+改革」が進むことが望まれる。

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