この予算案で「判断して」と言われても?!

2010年12月25日 15:28

菅さんが夏の民主党代表選挙の時に「予算を見てから判断してください!」と言っていた予算案が昨日(12/24)決まりました。菅さん自身は自信を持っているようですが、報道各社及び識者からは辛口のコメントが多く、及第点にも達していないと判断する向きが大半です。つまり、この予算案で判断するのなら、菅政権は「不合格」と言わざるを得ないことになります。

もっとも予算案以外にも外交、閣僚の不信任などから「不合格」という感じであり、今更、予算案を判断する必要もありませんが…

前田拓生のTwitterブログ


とはいえ、このように今回の予算案に対する批判が多いのは、科学技術関係予算をわずかでも「プラスにした」という部分は菅さんのリーダーシップが見えるものの、全体としては「これを実現したい」という部分が見えてこないことに問題がありそうです。個々には合理性が窺えるものの、全体としての整合性がわかりづらく、単に「マニフェストに書いたから」というだけで「(閣僚の個々の面子によって)やりたいこと」をそのまま盛り込んだ印象が強く、しかも、規模も異様に大きく見えることから、「もっと何とかなるのでは?」と多くの人が考えているからなのではないでしょうか。

まぁ、現状の景気状態や財政状態、加えて少子高齢化問題に絡む社会保障状態からすれば、この時期、誰が予算を作成しても同じようなモノなのでしょうから、その意味では可哀想な面もあります。が、やはり、「何がしたいのか?」という部分、つまり、筋の通った「理念」が感じられないまま、議論も尽くさず、自分(政権内の人)たちだけの論理で好き勝手にやりたいことを投入し、そのために肥大化した予算では「政権交代をした意味」がなく、がっかり感は致し方ないでしょう。

しかも、税収よりも国債発行が多い上に、税外収入、つまり、“埋蔵金”の取崩しで7兆円もの金額を組み込むことで「何とか帳尻が合った」ものの、来年度以降は「この手も使えない(埋蔵金そのものが底を尽きかけている)」という財務相の言も如何なものでしょうか。これでは将来の増税に対する不安心理だけを煽ることになってしまいます。

そもそも“無駄削減”だけで、これほどの政府債務残高を云々することはできないのは、民主党政権になる前から変わっていないのですが、「あるのです、探せばいくらでも」と言い続け、子ども手当など、ばら撒くだけばら撒いたのは民主党政権そのものです。ここに来て「ここからは無駄削減だけでは予算が組めない」と言われてしまうと「そもそも民主党の政策が間違っていたのだろう」という反発が強くなるのは致し方ないことです。

国民負担を求めるのであれば、まずは公務員改革を含む“無駄削減”を徹底的に行うべきであり、さらに「マニフェストに書いたから」というようなことではなく、何が「国民のためになるか」をもっと真剣に考えるべきでしょう(例えば、高速道路の平日2000円上限によって発生するであろう国庫負担は、本当に国民のためになるのでしょうか)。

その上で、増え行く社会保障費を「如何にするのか?」といったことを中心に、消費税増税を含めた抜本的な税制改革を議論すべきだと思います。

今回の予算案は、口先で「強い雇用」「強い経済」「強い社会保障」と言っても、上述の通り、単に勝手な論理によるばら撒きにしか見えず、そこに筋の通った「理想」「理念」は感じられません。さらに公務員改革を含む“無駄削減”もせず、その気配さえ感じられない中、財政の穴埋めだけに支出されかねない消費税増税に国民が合意できるはずもありません。

この予算で「どのような評価を期待しているのか」はわかりませんが、「これが実力」というのであれば、多くの識者の評価通り「不可」なのですから、菅政権は終わりにすべきだということでしょう。現政権が「菅政権」である必要性は、単に「1年にも満たない」というだけしか思いつかない以上、早く別の政権になる方が「民主党のため」になるように感じます。

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