来年の資産市場を占う

2010年12月31日 18:02

貨幣と資産の分離が進むのではないか。

すなわち、貨幣は決済手段として特化し、基軸通貨という概念そのものがなくなり、それは単なる短期国債でキャピタルロスの可能性が低いもの、という新しい“通貨”の概念が生まれるのではないか。


私のゼミ生の修士論文は、将来の貨幣のあり方に対する示唆である。そして、別のゼミ生はポイントについてである。

ポイント、電子マネーが未来の通貨として決済手段を支配するのは確実に当たる予言であるが、未来とは来年とか再来年のことであるから、未来とはいえないかもしれない。短期国債よりもキャピタルロスの可能性の低い予言と言ったところか。

いずれにせよ、グローバル経済により、国家の地位が低下し、実物市場も新興国を中心に国家依存から離れていき、同時に金融経済は実体経済への回帰を鮮明にすれば、これは必然的に、既存の国家の枠組みの重要性は低下し、既存の貨幣の重要性は低下していくだろう。

そもそも貨幣が資産として機能したのは、昔の話で、19世紀以降の高成長時代においては、貨幣では利子がつかないために、何らかの利子あるいはリターンを生み出す資産に振り返られてきた。

もちろんそれは貨幣に交換可能ということが裏づけとなっているということだが、その典型は国債だ。

国債は、その国の信用に基づくが、ほとんどすべての先進国の国債に関しては、デフォルトリスクは、無視されてきたから、実質的には、国債と通貨は同じリスクとして考えられてきた。

そのリスクは、本来は需給に基づく値下がりリスクがあるのだが(デフォルトリスクとは別だ。オーバープライスとなれば、必ず値下がりするリスクがある)、それを除いて考えれば、為替リスクが唯一のリスクであり、これは通貨と同じとなる。

デフォルトリスクも結局は、中央銀行などによりインフレ課税により回避されるとすれば、それはインフレリスクとなるので、通貨と同じリスクとなる。

この結果、ソブリンリスクとは通貨リスクと同じであってきたのだ。

ところが、この常識が大きく疑われたのが今年。ギリシャ危機は、まともな先進国ではないという解釈で逃げ切ろうとしたが、スペイン、イタリアまでがその射程に入ってくると、事態は本質的に変化してくる。

そして2011年は、この疑いが実現する、あるいは実現する可能性が高いと思われるおゆになり、実際に実現すると何が起こるか、それを想像し、観察する年となるだろう。

したがって、貨幣概念が大きく変わるのが2011年になり、そうなると資産は実物中心の世界となるだろう。

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