劣化の止まらぬ菅政権

2011年01月14日 11:58

仄聞する所、立ち上がれ日本から与謝野議員を閣僚に迎えるのだそうだ。与謝野議員と言えば、昨年の通常国会予算委員会で、自民党議員として、当時の鳩山総理を平成最大の脱税王と誠に厳しく追及した本人ではないか。菅首相他執行部は一体何を考えて居るのか。

与謝野議員が、閣僚として一体何が出来ると言うのであろうか。精々、財務省の手先と成り、財政規律の順守を錦の御旗に、年金支給時期の繰り上げと消費税増税の道筋をつける位では無いか。

無論、公務員改革を中核とする行政改革と、セットで実行するとすれば快挙であるが、これはきっとうやむやの内に闇に葬られるに違いない。

ライブドア事件に絡む、偽メール事件で、党存亡の窮地に立たされた時は、小沢議員の獅子奮迅の活躍もあり、一昨年の政権奪取にまで党勢を盛り返す事に成功した訳である。

しかし、党の大恩人である小沢議員にも離党勧告と言う刃を突き付けている。世間ではこう言う所業を親殺しと言い、最も忌むべき事としているのを党執行部の面々は理解していない様だ。

偽メール事件での、A級戦犯である前原現外務大臣は主要閣僚を歴任し、覚えきれない位の、失策、失言にも拘わらず、政府、党内部で責任を問われる事が、皆無である。誠に以て面妖としか表現のしようが無い。

1月に立ち上がれ日本から、閣僚を招き、多分3月には「立ち枯れ民主党」として満開の桜の側で、無残な姿を晒す事に成るに違いない。

枝野議員の官房長官抜擢も、空いた口が塞がらない。噴飯物とはこう言う時の為の表現なのだろう。偽メール事件と同様、昨年7月の、本来大勝して当然の国政選挙である、参議院選挙での惨敗での彼こそがA級戦犯である。

その意味、安住国対委員長も7月の参議院選挙では選挙対策委員長の重責にあり、同様A級戦犯である。

どうも、菅氏に尻尾さえ振れば、如何なる失敗も許容され、幹部がお互いの傷を舐め合う誠に以て、気持ちの悪い政権である。

その背景には、国民の民意の究極の現れとしての選挙がある訳だが、どうも党として民意の軽視が甚だしい様である。それでは、一体何を重視しているか、全く不明であるが、多分政権にしがみ付く事、其の物なのであろう。それにしても、何の為、誰の為、どちらの方向に向かい、何をやりたいのか、さっぱり判らぬ政権である。

枝野議員に就いて、今一つ看過出来ないのは、尖閣問題に絡み「中国は悪しき隣人」等の対中一連の、軽薄極まりの無い問題発言である。

日本の安全保障の基軸が、日米同盟に依存する事は既に国民からある程度のコンセンサスを得ている筈である。

しかし、今一方の事実として、今世紀は、中国と、中国に雁行して台頭著しい、新興産業国の時代であり、此の果実に預からぬ限り日本の将来は無いと言う現実が肝に銘じられねばならない。此れなくば、財政規律順守も、雇用の創造、確保も何も無いのだ。与謝野氏を内閣に入閣させた所で、好転する話では無いのである。

従って、此の中国に対し、「悪しき隣人」等と発言すると言う事は、日本が直面する課題を、全く体系的に捉えて居らず、且つ政治家として必須である政治的センスの不在を意味するものである。

更に、民主党は、今回の内閣改造に際し、下記3点を国民にしっかり説明すべきである。

第一に、耳に蛸が出来る程聞かされた、小沢議員の「政治と金」である。私の知る限りでは、政治資金収支報告書の、期日の記載ミスと言う、手続き問題に過ぎない筈だが、報道はされていない何か遥かに重大で、悪質な問題が実はあると言うのか。あるとすれば、それは何なのかと言う疑問である。

次に、既に述べたが、偽メール事件で党存亡の危機にある民主党を救い、政権奪取迄導いたのは、偏に、小沢議員の功績である。仮に手法として所謂、「政治と金」で表現される不適切なものがあったとしたら、そもそも此れは小沢議員個人の問題では無く、民主党の存在自体の問題であり、現政権正当性の問題である筈である。此れに対し、現政権どう考えて居るのか。

最後に、検察審査会に拠る小沢議員への強制起訴に対する、現政権のスタンスが醜悪過ぎる。

マスコミの意図的な世論誘導もあって、国民の多くが従来の検察・特捜に拠る国会議員の起訴と、今回の強制起訴を同じ次元で捉えて居る事が、問題の根幹にある。

検察・特捜に拠る起訴は、公判維持可能を前提に行われて来た訳で、結果、当然ほぼ100%が有罪判決を受けたと言うのが過去の例である。

一方、今回の小沢議員のケースは検察・特捜に拠る捜査の結果、公判維持は不可能との判断から不起訴相当に成った筈である。しかしながら、如何なる勢力が背後に蠢いているのか、知る由も無いが、検察審査会の制度を利用して起訴し、裁判所の判断も仰いで見よう言う物に過ぎない。

此れを判り易く言えば、検察・特捜の起訴が、体調不良で東大病院で検査を受けたら、末期癌が見つかり、病気療養すると言うもの。

一方、小沢議員の場合は同様、東大病院で精密検査受けたが、結局、癌、見つからなかった。しかし、念を入れて、他の病院で検査受けてはとの意見に従い、新たに慶応病院で検査受けると言うだけの話なのである。

常識で考えて、東大病院で最高レベルの検査受けて問題無ければ、慶応病院でも同じ結果を予想するのは当たり前の話である。要は、今迄の検察に拠る起訴と今回の強制起訴は、同じ「起訴」と言う言葉が使用されるものの、全く別物であり、小沢議員への対応も異なってしかるべきなのだ。

仮に、今回検察・特捜があれ程捜査しても発見出来なかった証拠が、捜査素人の検察審査会メンバーに拠って、安々と発見されたとしたら、此れは小沢議員個人の問題と言う段階を遥かに超えた、日本の刑事司法そのものの、根幹に拘わる一大問題と成る筈である。要は、今迄一体何だったんだと言う事である。

そして、問題なのは弁護士出身で、此の辺り熟知している筈の仙谷官房長官が、小沢議員が仮に強制起訴されたら、前例に従い辞職すべきと物知り顔でコメントしている点である。

此れ観て、ある程度物の判ってる国民は弁護士は所詮「三百代言」と呆れ、軽蔑したに違いない。戦後、此れほどまでに弁護士のイメージを貶めた人物を知らない。そう言えば、新官房長官も弁護士出身である。そう考えれば、対中国の問題発言の連続も何となく理解出来る。今後は多分、経済、金融関連、問題発言を連発し、政権を混乱さすことでであろう。

どうも、桜の咲く頃まで、お粗末で醜悪な政治の状況を観させられる様で、今朝は気の重い朝である。

山口 巌
ファーイーストコンサルティングファーム 代表取締役

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