「まねきTV」での最高裁判決は、結果テレビのクラウド化を加速する

2011年01月20日 10:26

今回の最高裁判決に就いての感想は、「司法」よお前もか!と言った所である。行政の監督官庁である文化庁は、如何にも頼り無く、本業の神社仏閣の維持管理に専念すべきと思う事が多い。

著作権法が、こう言う不適切な解釈をされ、結果国民が不利益を嵩じるのであれば、本来、立法府たる国会で法律改正をすべきなのだが、どうも国会議員自体がテレビ局のお抱え芸人であったり、法を改正する能力が無かったりで、期待出来ない。

最後の頼みは、司法の適切な判断であったが、残念ながら裏切られてしまった訳である。どうも、次から、次へとこう言う事が起こると、菅首相は市民派の看板を掲げているが、実態は「既得権益」の守護神ではないかと思う、昨今の状況ではないだろうか。

此の判決の黒幕は、隣接権者と推測する。彼らが、濡れ手に泡で、利益を拡大する最良の方法は、ネット上のコンテンツの流れ全てに「自動公衆送信」の網掛けを行い、結果、彼らが許諾権を握る事で、業者を自己の支配下に置く事にある。

当たり前の話であるが、こう言った考え、手法はインターネットの哲学とは全く真逆である。Googleの標榜する「Don’t be Evil」のEvilそのものなのである。

従って、今回の判決は、被告の永野商店が、どうも有罪に成りそうだと言った、矮小化された物では無く、日本のインターネットが大きく歪められる可能性があると、危機感を持って受け止められるべき物であろう。

今回の判決を契機に、頭の悪い裁判官や、弁護士、そして文化庁の役人等相手にせず、インターネットユーザーで、テレビのクラウド化を加速してはどうだろうか。

そんなに難しい話とは思えない。今回、「自動公衆送信」と認定されたのは、「機器」と永野商店と言う「業者」が特定出来たからでは無いか。ならば、此の二つを不特定多数にしてしまえば良いのでは無いか。

具体的には、昨年10月にCEATECで東芝が発表したRegza Apps Connectや今月ラスベガスでPanasonicが発表した同様コンセプトのApps Connectを普及させれば良いだけの話と思う。

海外の在留邦人は、Apps Connectユーザーに拠って、メタデータにタグ打ちされたリストを下に、視聴しても良いし、新聞のラテ欄参照して、自分でタグ打ちし、自由に視聴する事可能である。コメントの書き込みも自由なので視聴後、国内の、同じ番組を観てる人々と、意見交換するのも、きっと楽しい筈である

隣接権者は、大好きな濡れ手に泡が期待出来ないので、テレビ局を嗾けて、又起訴しようとするかも知れない。

しかし、その場合、「機器」はスマホやタブレットPCと言う事に成るのだろうか。無理あると思う。さすれば、Apps。矢張り此れも無理あるのでは。

訴えるべき「業者」もはっきりしない。強いて言えば「クラウド」であるが。アメリカ、ネバダのDC迄、強制執行に行くと言うのは、余りに悪い冗談であろう。

どうも、インターネット時代には、既存の法律は古くて使い物に成らず、最高裁の判決も十中八九間違いそうだ。ならば、そう割り切ってあるべき未来をインターネットユーザー自身で構築し、その後で、立法府に実態に合った、法改正を迫るのが現実的と思うが、如何であろう。

山口 巌
ファーイーストコンサルティングファーム 代表取締役

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