市場こそ全て

2011年01月28日 09:37

昨日、アメリカの格付け機関に拠り、日本国債格付けが一段階下げられた。此れに対する質問に、菅首相が「その辺り疎くて判りません」と答えたらしい。

絶句!である。自らの政策を世界にアピールすべき、絶好のチャンスでは無いか。

何故、「それ故、社会保障と一体としての増税を現政権最大課題として捉えており、債務問題解決は必ず自分の政権で筋道を付ける!」と、市場に向かいメッセージを発し無かったのであろうか。

どうも、菅首相のみ成らず、現政権の首脳悉く市場の意味やその存在をを理解していない様である。

立場上、絶えず言動が注目され、それに拠り市場が連動して、売り、買い、の投機に走り、結果利鞘が稼がれ市場が成立していると言う事実をである。

私は金融業界に身を置いた事も無ければ、経済を勉強した事も皆無な、此の分野全くの素人である。しかしながら、市場こそ全てと確信している。

若い頃の経験が大きい様である。最初に就職した会社で入社2年目で当時の西ドイツに希望して留学させて貰った。

幸い早い時期に、正式に大学に入学する事が出来、大学の休みを利用して30年前の東欧含む全ヨーロッパ、中近東そして北アフリカを旅行して回った。

中でも、退廃の香りを宿しつつ、繁栄の絶頂にある西ベルリンから、ベルリンの壁を越え、当時東側最前線の東ベルリンに入り2泊したのは、その後の価値観に大きな影響を与えたと思う。

一言で言えば、壁一枚を越える事で、人で溢れる渋谷のセンター街や原宿通りから、心を凍らす地方都市のシャッター街に移動するが如き体験である。

その後、10年を待たずベルリンの壁は崩壊し、北朝鮮を除き世界から共産主義や社会主義の国は消えてしまった。世界市場と連動、連携する事で、繁栄と言う果実を手にする事に成功したのである。

今一つの体験は、留学から10年後、大阪駐在でベトナム市場の開拓を命じられた事である。結果、ベトナム政府の進めたドイモイ(市場化)政策の進展と成功の果実を、自分の眼で確かめる僥倖に巡り合える事と成った。

当初は、一旦バンコックに行き、一泊して翌日ハノイ入りが最短コースであった。暫くして、香港一泊でハノイ入り出来る様に成り随分楽に成ったと感じた物である。次に、香港で3時間待ちでトランジットが可能と成り、程無く、関西空港からJALの直行便がホーチミンに運行された。たった、2~3年の間の事である。

此の変化に合わせるが如く、ハノイやホーチミンと言った大都市には物が溢れ、市民の表情も明るく、活気が漲って来たと思う。シャッター街が渋谷のセンター街に変身したのである。

こういう経験、体験をした私であるから、昨今の日本の不振は市場を軽視し歪めた竹箆返しと思わざるを得ない。

IFMの予測では、今年の中国及び中国に雁行する新興産業国の成長率は10%程度との事であるが、此れ等の国は自国の市場を国際市場に連動、連携させた事で、結果、国際市場に浮揚させて貰ってるメリット大きい筈である。

FTAやTPPに加盟するメリットは、市場を統合する事で既に競争力を喪失してしまっているにも関わらず、何故か生き残っている、所謂ゾンビ企業、産業を市場から四の五の言わせず撤退させる事にあるのでは無いか。

此の代表は、農林水産省、農協、国の手厚い保護を享受し続ける農家と言った所だろう。農林水産省は日本劣化のA級戦犯と思う。

JALの如きゾンビ企業の救済を図るのも、明らかに市場を歪めている。LCC台頭が確実な現在、50代のCAに年収1,000万円払ってお茶運ばせてるキャリアーが生き残れる筈無いのは子供でも判る。

郵政公社、NTT、道路公団そしてその他無数の類似団体とその外郭団体も全て民営化し小泉時代の「民で出来る事は民で」の思想、方針に帰るべきである。

国が、ゾンビ企業を抱え込む事で、国その物がゾンビ化しているのである。

大卒就職難の最大理由も、労働市場が歪められている事がその最大理由である。尾籠な話で恐縮であるが、自由に解雇出来ない事で、結果糞図まり状態と成り若者が割を食っていると言うのが実態であろう。

解雇を日常的なもの、当たり前の物として、労働市場を流動化、正常化した上で若者の就職を容易にする事はそんなに難しい話とは思えない。政府のやる気だけだと思う。そして、その前提は市場を敬い、尊敬する気持ちである。

とは言え、市場は無論万能では無い。場合に拠っては途轍も無く無慈悲で残酷かも知れない。唯、今あるシステムでは一番真面と言うだけの事である。

従って、市場重視のコインの裏表の関係でセイフテイーネットの構築はマストである。

此の意味、社会保障の議論は、市場重視と地方分権の原則を確立した上で始めるべきであり、決して、増税の理由付で語られるべきでは無いのである。

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