変わらない就職活動システムは日本企業を良く表している - ピネダさくら

2011年01月30日 04:36

日本の就職活動が嫌で、米国に定住した身です。私は高校3年生から留学して、そのまま米国に残り、現在社会人6年目です。日本でいくつかインターンシップも経験し、日本の秋採用なども、「既卒枠」で興味本位に参加してみたり、留学生用就職フォーラムなどにも参加して、日本で働く機会もありました。しかし結局米国に残り就職することを決めたのは、日本のシュウカツが馬鹿みたいに思えたのと、終身雇用が主流の社会で働く決意ができなかったからです。


一番最初に「日本のシュウカツにはついていけない」と思ったのは、大学の終わりごろ。急に学生は自己分析なるものをはじめ、面接の練習をしたり、エントリーシートの書き方を練習したりするのですが、結局は多くの学生が同じような大企業にたくさんのエントリーシートや履歴書を手書きで、修正テープも使わずに各企業ごとに志望動機を書き換えては提出していました。わざわざ格好の悪いリクルートスーツセットを買って、必死になって活動しながらうつ病になっていく友達を見て、「何のための自己研究だ?自分にはこんなバカみたいな制度に巻き込まれる必要とはない」と思い、日本の就職活動を辞退しました。米国にはもっと、エントリーシートや多くの筆記試験、新卒などという概念にとらわれず、自分のやりたい仕事に素直につきやすい環境があると思ったからです。

「新卒」というシステムにもよく現れていますが、日本の企業は「異なるものを受け入れる」体制に非常に弱いと思います。当時私は留学生で卒業時期が日本とは異なったため、「中途採用」扱いでしか就職活動できない企業が殆どでした。現在はもう少し柔軟性が出てきているのかもしれませんが、日本の就職システムは、海外で勉強してきた学生にとっては非常に不利なシステムです。海外に長ければOB訪問も難しいですし、インターンの時期だって、お金もないし学業は忙しいし、日本に戻れません。企業説明もわざわざ戻れませんから、就職の機会は非常に限られています。

最近はよく、日本企業は「グローバル人材を求めている」なんて聞きますが、その前に自分とは異なる文化を受け入れる準備が会社はできているのですか?と聞きたいです。世界を見回しても日本の就職活動制度や、終身雇用、年功序列というシステムはユニークなものです。グローバルスタンダードで戦いたい企業ならば、人材獲得や雇用条件もグローバルな基準で見直すべきなのではないでしょうか?

又、就職活動が生んでいる弊害として私が考えるのは、優秀な学生も「就職すること」がゴールになってしまうのか、大企業に入ると死んだ魚のような社員になるケースが多い事です。特に日本の企業では、一旦入社してしまえば終身雇用、年功序列でお給料や肩書きは自然についていき、首になることは滅多にないので、大抵の人は波風を立てずに得意の「いい子」お面を被っています。人事異動では、どこの部署に移動されるかも分かりません。営業のプロだったのに、経理のプロになれといわれることもあるでしょう。そんな環境ではなるべくリスクをとらずに仕事をこなそうと思うのは自然だと思います。又、雇用に流動性がない文化ですから、家族をもち、子供も中・高校生、管理職になるぐらいのおじさん(おばさん)は「会社を辞めるようなことがあってはいけない」と思うようになるのが普通でしょう。中々イノベーションも生まれにくい環境ができて当然と思います。

ここまで批判的なことを書いて来ましたが、日本の就職活動や終身雇用はもちろん良い所も悪いところもあると思います。ただ一つ、良し悪しを別にして思う事は、現状のシステムは日本の若者の活力を生かせない、イノベーションが生まれにくい社会を生み出しているきっかけなのではないかと考えます。
(ピネダさくら)

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