八百長相撲と通信の秘密

2011年02月09日 16:37

大相撲八百長問題を調べている特別調査委員会が全関取に対し、聞き取り調査に当たって携帯電話と預金通帳の持参を要請しているそうだ。すでに八百長の疑いがかけられている力士の携帯電話から、証拠となる電子メールが警視庁の調べで見つかっている。警視庁から疑いを指摘された力士には携帯電話の任意提出を要請したが、多くの力士は機種変更した、水に落とした、妻に踏まれて壊れたなどと回答し、提出を拒んでいる。だが、だれもこの要請が通信の秘密を侵す行為であると批判しない。後ろめたいから提出しないのだろうと多くの国民は思い込まされている。しかし、携帯提出拒否は力士のみならず国民の当然の権利である。


通信の秘密を守る義務は電気通信事業者だけに課せられているわけではない。第三者つまり一般国民も守る義務がある。プロバイダーのメール転送、迷惑メールの削除など当事者が了承した場合は例外とされるが、今回の八百長相撲に関しては例外が認められるのだろうか。法律の専門家ではないから、分からないがネットで関連項目を調べた範囲内では、これは通信の秘密を侵す行為ではないかと考える。

昨夜NHKニュースを見ていたら、水に落としても、踏みつけられても内部のメモリーさえ生きていれば、メールの復元ができるという業者の説明を流していた。まるで携帯の提出を拒否する力士は怪しいぞといっているような内容だった。報道機関なら、携帯提出要請は通信の秘密とどういう関係になるのかを報道することが先なのではないだろうか。下町で生まれ相撲部屋を遊び場にして育ったから、相撲は大好きなスポーツである。八百長がいいとはいわないが、力士は汗まみれ土まみれで稽古している。待遇格差があまりにも大きい中で、下位力士の八百長くらいは目をつぶってやりたくもなる。通信の秘密を侵してでも八百長を根絶する意義はどこにあるのか、八百長の証拠調べは他に手段はないのか。このままでは、相撲協会が力士のケータイメールを常に検閲するなんてことになりかねない。

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