エジプト、ムバラク大統領辞任と今後

2011年02月12日 09:45

エジプト、ムバラク大統領が愈々辞任した。アメリカに拠り外堀を埋められ、今回、軍に拠り引導を渡され、進退極り辞任と言う所では無いだろうか。

今後、暫定的に権力を掌握した軍に拠り、海外の隠し資産等も暴かれ、丸裸にされる事に成る。権力の座にあった時代の不正も、強く糾弾されるかも知れない。

軍が国民の支持を得、若者の怒りを鎮静化し、安定した国内統治を実行する為には、やらざるを得ない筈である。

扨て、今後である。エジプトに就いては、国民の信頼があり、行政能力のある軍が統治を担当する事で、騒乱は一旦収束し、安定に向かうのでは無いか。

怒れる若者が、左程、イスラム革命を志向する、イスラム同胞団を支持しているとも思えず、イスラム同胞団に拠る政権奪取の可能性も低そうだ。9月予定の選挙では、民主化を約束する候補者が選ばれるのでは無いだろうか。

アメリカのメデイアは、今回エジプトで起こった事が、徐々に周辺諸国に広がる事を予想している様である。多分、日本のメデイアも今後此れに同調する事を予想する。

しかし、私は今回のエジプトの反政府運動、左程広がらないのではと観ている。

この種運動が成功する為には、2つの要件を満たす必要がある。先ず第一は、痩せていて、貧乏で、怒れる多数の若者の存在である。

次に大事な事は、国民が価値観を共有している事である。価値観が共有されて居なければ、如何なる情報も遮断され全く伝わらないからである。そして、共鳴が先ずありきである事忘れては成らない。

今回、エジプトと言う北アフリカの国で起こった事が、果たして全アフリカに伝播するであろうか。

断じて否である。

アフリカの国々は宗教、民族、部族そして言語すらまちまちである。国境線等、旧宗主国が自分たちの、勝手と都合で適当に引いたに違いない。

最近、国民投票でほぼ100%支持された、キリスト教徒主体の南スーダンの、イスラム国家スーダンからの分離独立は判り易い例と思う。

サウジや湾岸諸国も、大きな影響受けるとの論調も多いが、全くそうは思わない。

街を少し歩けば判るが、痩せて、貧乏で、怒れる若者等何処にも居ない。代りに、メタボに違いない、太った中年は結構いる。そんなに不満そうでも無いし、石を投げようとしても、肩に肉が付きすぎており、遠くに投げるのはとても無理である。

サウジや湾岸諸国で、今後起こるあろう事は、王国の体制維持の為、国民に対する、更なる優遇策の実施であるとか、民間企業対策としての公共事業拡大と思う。財源は此処に来て原油の価格が上昇しており、潤沢にある筈である。風が吹けば桶屋が儲かるの実例と考えて間違い無い。

怒れる若者が数多く居て、且つ、国民が価値観を共有していると言う意味で、最も当てはまるのは中国である。言語も中国何処に行っても中国語が基本通じる筈であるから、インターネットを通じて運動が一気に拡大する可能性が高い。

その意味、一党独裁の中国共産党の足元を揺らしているのは、今回のエジプトの反政府運動と中国の痩せた、怒れる若者の存在、そして情報を一気に広めるインターネットであろう。

中国は、インターネットへの統制を間違いなく強める筈だ。そして、此れは、民主化を求める若者の怒りに火を付ける事に成ると思う。

扨て、最後はご当地日本である。怒れる若者の役所は、本来学生の役回りの筈であるが、就活とかで忙しくて手一杯の様だ。かと言って、メタボの中高年は余り戦力として期待出来ない。

そもそも、最高権力者の菅首相自体が、「ヒール」としては力不足である。大多数の国民は既に諦めていると思うが、不満と言えば「もう少し政治をちゃんとやって欲しい」と言う程度では無いだろうか。

仄聞する所、ご自宅は借家で、ご子息もフリーターらしい。本来脂ぎった、「権力」のイメージとは真逆で、此れでは国民の憎しみの対象には成れない。

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