早いもので地震から2週間が経過した。この間政府は一体何をしていたのであろう?被災者の救助。福島での原発事故対応。確かに何れも極めて重要である事は否定しない。
しかし、厳しく言えばこれらは現場対応であり、政府が明確に方針を打ち出せば後は現場の仕事である。政府がやるべきは現場を励まし、後顧の憂いなく仕事に専念出来る様環境整備をする位だ。
震災から2週間が経過した今、政府に取っての最重要課題は、原発を継続するか否かの判断をし、国内外にメッセージを発する事だと思う。
勿論、継続せずとの判断に至った場合は、原発の抜けた穴を何で埋めるのか、明確に説明する必要がある。
私は、震災後丁度1週間で原子力発電の終焉を投稿した。ドイツが脱原発に舵を切った事で世界の潮流がこの方向を向かうと確信したからである。
そして今日偶然沖縄タイムスのこの記事を発見した。
【ジュネーブ共同】20日付のスイス紙ル・マタンは、福島第1原発事故を受けた世論調査を掲載、将来的にスイス国内の原発廃止を望む意見が87%に達した。2009年の調査では73%が「原発は必要」と答えていた。
スイス国内では原発5基が稼働中。このうち稼働から約40年が経過する2基に関しては、62%が「閉鎖すべきだ」としている。調査は17~19日、約500人を対象に行われた。
http://www.okinawatimes.co.jp/article/2011-03-21_15708/
何と、原発廃止を望む意見が87%に迄達している。これでは原発から離脱するしかないだろう。
言うまでもなく、ドイツ、スイスは共に高度な技術力と国民の高い民度で知られる国である。そして何より日本の様に地震や津波がある訳ではない。
その両国が原発に対しここまで否定的な状況下、福島で大惨事をを起こした日本がこれ以上原発を継続する客観的正当性はないと考える。果たして、日本政府は国内外にどの様なコメントを発表するのか注視しているところである。
問題は、原発を電力政策の中核にしてここまで来てしまったと言う、ある意味つんのめり政策の破綻である。中東のカントリーリスクが高い事もあり、石油火力を減らしその分原発でカバーしている。
2018年時点で原発の割合を40%に想定しているが今となってはこれはあり得ない。差分を何で埋めるか?これが今後政府腕の見せ所である。
それにしても、如何なる理由でこういう無理をしなければならなくなったかである。
この図が示すのは、産業界は省エネに努力した結果1975年以降殆どエネルギーの消費を増やしていない。増えたのは民生と運輸である。判り易く言えば、我々日本人は家庭内でそしてマイカーでかなりのエネルギーを贅沢に使うようになり結果原発が必要となったと言う事である。
一方、全エネルギーの中で電力の占める割合も大きくなっている。
一般家庭でも石油ストーブやガスストーブが電気を使う床暖房に駆逐され、調理に使うガスコンロが電気調理器に取って代られる現実が理解を容易にしていると思う。反省すべきは、ガスや灯油を使っておれば事なきを得たのに、電気に切り替えた事により原発推進がマストになった事であろう。
原発の最大問題は今回の福島の様に事故による汚染であるが、通常の火力発電所の様に、需要に対応して生産量を調整する事が出来ない点である。
コメント
私も原子力の立地に不可欠な民意、特に地元の人々の信頼が瓦解した今、日本で原子力推進は事実上不可能と思っています。しかしご主張の中に80%原子力のフランスについての言及がないのが気になります。手元に資料がないので定かではありませんが、フランス周辺の国は自国で「脱原子力」といっていながらフランスから電気を買っている可能性があります。また、フランスでは需要に合わせて原子力の出力を調整する「負荷追従」を当然行っています。日本はご承知のように電気の輸出入はできません。
ドイツ、スイスは、もともと無人の海岸線がないので、日本とは国情が大きく異なります。これらの国はフランスから原発の電力を買う方が賢明でしょう。実際、そうしていますし。
→ http://bit.ly/hS9mui
あと、スイスは氷河の水力発電がすごく大規模で、しかも夏は冷涼です。
で、そうしますか? ドイツの真似をして、フランスから原子力の電力を輸入するか。スイスの真似をして、首都を高地の軽井沢にして、人口を今の百分の1にして、水力で大部分をまかなえるようにするか?
> 停電は今後は起こらぬ事。
太陽光が主体になれば、雨の日や夜間には停電だらけとなります。
既に、答えは出ています。
原発は、既に、絶対不可能です。その前提で。
それでも多分東電は、ぬけぬけと、未曾有の大事故をここで押さえ込んだと自慢げに、原発推進を主張するでしょうが。
答えは、固体酸化物形、溶融炭酸塩形などの酸素移動型の燃料電池です。此なら、純水素だけでなくCOガスも燃料として使えます。原料は、天然ガス、石炭ガス、LPG、可燃ゴミなど何でも可能です。
此を、分散電源として家庭、企業、自治体などあらゆる地域のあらゆる形態に対して、自立電源として設置し、それを配電線路で連携することで、全国規模で、安定した、高効率の配電システムを構築することが可能です。
温暖化対策も全く心配ありません。
何故なら、燃料電池によって、電力と、熱を併給することによって、総合効率を現在の、発電効率の倍以上に改善できるのですから、例え、原発が無くとも、排出温暖化ガス量を二分の一以下に減少することが出来るからです。
此は膨大な効用です。
資源量も、天然ガスは、深海底に大量に眠っていると言われています。又、石炭も、今後数百年の使用に耐える埋蔵量があります。
分散電源にすることで、今回のような大災害時でも、地域を限って給電することが出来ます。もう大電力会社は要りません。
国をコンパクトにし、電力消費を減らすことも重要だと思います。
世界中にビジネスチャンスがある昨今では、このまま日本が経済を十数年前に戻すことが困難であると思います。
ですから今の少子化にブレーキをかけ、人口を増やすことは必ずしも得策でないと思います。もちろん止むを得ない理由があるとは思いますが。
こういっては語弊があるかもしれませんが、少数精鋭が日本らしいと思います。
すみません。議題とはそれましたが、すでに包括的に考察しないといけない問題であると思いましたので。
「自然エネルギーは石油の無駄」かどうかがはっきりしなければ、何も動きません。
そしてそれすら、脱原発派と原発推進派では、まるで宗教の教義のように異なるのです。
エネルギーについて議論などできません。
政治が決めるのに従うのみでしょう。現状では。
脱原発のドイツがフランスから原発の電力を輸入しているというのは一面の真実ではありますが、ほとんどデマといっていいほどです。欧州の電力は日本より遥かに自由化されています。国境を越えて電力の売買が可能で一方的なものではありません。
リンク先を見てもらえばわかりますが、ドイツがフランスへ輸出している電力の方が圧倒的に多いです。またドイツはオランダやオーストリアなどへも電力の多くを輸出しているのが分ります。
http://rwecom.online-report.eu/factbook/en/marketdata/electricity/grid/germanyimportandexportofelectricity.html
そんなことより、電力会社の統合したほうが日本経済には良いと思う。また電力会社だけが、発電していたっけ。
たしか。アルミ工場は、発電所を持っていたような気がする。
企業に発電所を作らせて、電力を買うことも一案だとおもう。
ドイツが脱原発を決めたということですが、その実態は下記に報告されています。
→ http://mitsui.mgssi.com/issues/report/r1006du_ishizuka.pdf
要するに、風力発電とスマートグリッドですが、それには電気自動車のリチウムイオン電池に蓄電することが前提となります。しかしそんな技術はいまだ開発されていないし、この先どうなるかも不透明です。いまだ存在していない技術に一国の命運を委ねようというのは、あまりにも危険なギャンブルです。(まともな人間の発想とは思えないが。……ヒトラーならば断行しそうだ。)
ともかく、「10年後にはこの技術が開発されているだろう」という見込みのもとで、ドイツは再生エネルギーの方向に突っ走るようです。
ちなみに、燃料電池車というのは、1998年ごろの時点で、「5年後に商品化するつもり」とトヨタやホンダが声明しました。(新聞記事にあります。)
2003年になると、また「5年後に商品化するつもり」とトヨタやホンダが声明しました。
2008年になると、また「5年後に商品化するつもり」とトヨタやホンダが声明しました。
2011年でも、同様です。
ドイツの電力基盤も、こんなふうになるのでしょうか?