東電がすがる原子力賠償法を改正へ 

2011年03月30日 22:59

100年に一度といわれたリーマン・ショック、その2年半後に襲った 1000年に一度といわれる今回の大地震が東北を襲い、日本を震撼とさせています。東京電力の気になる今後の対応が BBCの取材で明らかになりました。


BBCの取材陣は、東電側は今回の災害については、予期せぬ天災が起きたから補償する範囲外であるとの趣旨で発言していました。企業に課される原子力賠償法の上限1200億円での補償範囲内で絞られ、売り上げは5兆円で世界最大の民間電力会社としては、余力を残しての補償になると見込まれます。

ここで、原子力賠償法を見ると、「原子力損害賠償責任、第三条  原子炉の運転等の際、当該原子炉の運転等により原子力損害を与えたときは、当該原子炉の運転等に係る原子力事業者がその損害を賠償する責めに任ずる。ただし、その損害が異常に巨大な天災地変又は社会的動乱によって生じたものであるときは、この限りでない」。このことは、解決後の今後の補償問題の難航が予想される企業態度で、はっきりいえば、これほど大きいから責任はとれない、という回答といえるものです。

それを裏付けるように、30日に東電会長は農作物などの事故による損害賠償については、「国の支援を受けながら、原子力損害賠償制度に基づき、誠意を持った賠償の準備をしている」と話しています。
ここでピーンときました。東電は法律の上限で手を打ちたいのが見え見えです。 国営化より先に法律改正が望ましいでしょう。

2兆円の借り入れを行った東電は多額の損害賠償に備えなければならない。
しかし、請求する側にとって東電の対応は、絶えず憤りを感じるものになるだろう。
なぜなら、彼らは、原賠法をたてに、固く財布の紐を締め付けるものになるだろうと思われるからだ。

原賠法を改正して上限1200億円に加えて、次の一文を加えたらどうだろうか。

損害に対する企業責任は、当該企業の規模によりこの限りではない。

国有化はできるでだけ、先延ばしにすべきだ、なぜなら、国有化は国のデフォルトリスクを高めるだけだからです。

東電は2010年3月期に営業活動によって1兆円のキャッシュフローを稼ぎ、純資産は2兆500億円でした。上限1200億円で済めば、上々の解決とみていると思います。まだまだ支払い余力があります。
 
・国有化は当分避けるべき

放射性物質の被害は太平洋を汚し、今後、海産物などの損害賠償請求は、日本に求められる可能性大。東電は、当分、民営化の方が、得策ではないでしょうか。なぜなら、国際的な損害賠償は、東電に向かわせなければならないからです。日本に求められれば、日本の国家破綻は、早まると思われるからです。

また、東電の決算書を見ると、日本を代表する専門家が監査人に名を連ねています。かつて、東大総長でもあった彼は、後にコンサルティング会社の理事長も務めています。東電が進めてきた戸別住宅のオール電化 CMにも出ていたと記憶しています。彼はこの困難時に最適のソリューションを提示しないのでしょうか。危機が訪れると亀にならいに甲羅い閉じこもったもまま、科学者、コンサルタントとしての役割を捨てるのでしょうか。これもトップ学者としてこの国らしいとも思います。

Kazuo.Suzuki Journalist&Consultant

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