ソーシャルメディア時代のもの作りのプロトコルの変化 ( @ogawakazuhiro )

ソーシャル化という波によって、多くの業界や市場が影響を受けて変化し始めています。

実際モノやツールの作られ方もまた、大きな変化を見せ始めています。以前は重厚長大のテクノロジーから、徐々に軽量、ライトなサービスモデルへと移行することが自然でした。まず複雑で高機能な商品が開発されて、その簡易版としての仕様へダウングレードされた結果、一般消費者向けの商品が作られていました。

たとえばワープロのような文書作成機はまずオフィスで使われて、徐々に自宅で使う汎用機として普及してきました。 ところが、インターネット、そしてソーシャルメディアが普及した世界ではこれが逆で、まず一般の消費者が使い始めて、それから企業ユーザーが使い始めるというパターンが多くなってきています。eメールやブログ、skype や Twitter など、枚挙にいとまがありません。

最近の Mac OSもそうですね。

Mac OS X から iPhone 用のOS が作られ、タッチスクリーンへの指先による直接的な操作方法や、加速度センサーを前提としたインターフェイ スが iOS の仕様としてまとめられましたが、その後は 逆に iOS を搭載した iPhoneや iPadで証明された多彩な機能が Mac OS X の正式機能として採用され、MacBookシリーズに搭載されることになります。テクノロジーが川下から川上に逆流した瞬間だといえます。

つまり、簡単なものから始まって、複雑あるいは本格的な方へと技術移転されるという、新しい商品化の流れが、いくつかの分野で明確に見えてきたのです。 一部の専門家が策定した仕様に基づく開発ではなく、む しろ何の予備知識もない一般消費者たちの利用体験からフィードバックを得て、徐々に機能追加をしていく。
商品のつくり方にもフラットでソーシャルなプロトコルが取り入れられ始めているのです。