今のままでの「電力料金の値上げ」には疑問!

2011年05月04日 23:17

政府は電気料金の値上げに向けて検討に入った模様。しかし、何となく腑に落ちません。「何故、国民が負担を強いられるのか?」という点に関して、政府や報道の説明では納得ができません(以下では「今回の原発問題による被害は一私企業である東電に第一義的な責任がある」ということを前提にお話しします)。特にTV報道で「株式会社だから利益を出していかないといけないことから、電気料金を引き上げるしかないのです」というような説明がありましたが、だとすれば、「株式会社」という形態をやめるべきでしょうね。

また、取ってつけたように「原油などの火力発電の原料の値上がりも影響」といってはいるものの、明らかに「一私企業の東電を“現状のままで”救う」という大前提が存在することに疑問があります。

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そもそも株式会社なら、債務超過になる程の事態を引き起こせば、株主との契約で業務を執行している取締役は全員、当該会社に対して責任を取るのがルールです。ここで「債務超過になるほどの事態」であれば、報酬も相当程度の減額があってしかるべきですが、これは「株主」と「経営者」の関係で決めればいいことであり、外部がとやかく言うことではありません。

でも「国民に負担を」というのであれば、話は別です。

東電を破たんさせてしまえば、現状、「電力源を失い、電気が使用できなくなる世帯が多く発生する」ことから「破たん」という選択肢はない。だから「債務超過にさせるわけにはいかない」ので「電気料金を引き上げます」というロジックは問題でしょう。

「(電力供給の)独占を認めていた」という政府の問題は別に議論をするとして・・・

社会的に「破たんさせられない」から「国民が負担すべき」という話には、大きな飛躍があります。破たんしそうな状態になっているくらい財務状況が悪化しているのであれば、まず、経営者の報酬は“なし”が当然でしょう。また、債務超過になった場合には100%減資が当然であり、債務超過させるわけにはいかないのであれば、東電へ貸し付けた主体(社債権者、銀行等)についても貸し手責任を果たしてもらう必要があります(債権放棄など)。

このように東電の経営によって“今まで利益を得ていた関係者”が、まず、相当の責任を取るべきなのです。そして、誰が見ても「相当の責任を取った」と受け止められる処置がなされても、なおかつ「債務超過になるかも」という状態ならば、「関係性の低いステークフォルダー(つまり、国民)」へも負担を求めることになるのでしょう。但しこの場合、一私企業として存在させるのではなく、(一時的にも)国有化することにより、損益状態を透明にすべきでしょう。

でも今の状態は、何か既成事実のように電力料金の値上げが決まりそうで怖いです。特に海江田大臣の「東電には補償のために稼いでもらわないと」とか、「電力供給義務を果たせるようにしないといけない」ことには配慮し、年間の負担額に一定の枠を設ける方針を打ち出したりすることに対しては、強く警戒しています。

こういう時に市民の声を政策に伝えるのが、“(与野党を問わず)国会議員”であるはず。政府の不公正なやり方に対して真っ向から「おかしい」という国会議員はいないのでしょうか?

特に民主党議員は「国民生活を守る」のではなかったのでしょうか?

震災で皆が大変な時期に、おかしなロジックで国民に迷惑を掛けるのはやめてほしいものです。

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