電力問題を原点から考える

2011年05月11日 11:20

今朝の自民党、 河野太郎議員のブログが実に痛快である。政府の東京電力救済スキームを一刀両断にしている。

政府は、野党の一議員にここまで罵倒されるこの救済スキームを13日に閣議決定するのだそうだ。

河野議員はブログで下記呼びかけている。

このブログを読んだら、ぜひ、お近くの与党議員の事務所を訪問して、あるいは与党議員の事務所に電話をして、なぜ、あなたは国民の負担を増やして東京電力を救済するのかと尋ねてほしい。

しかしながら、心ある民主党議員は既に欺瞞に気付いている

PT会議後に仲間と意見交換。国による仮払いの先行は前例を作るのを嫌がる財務省の反対があったのではないかと聞かせてもらう。なるほど。こういうことこそ政治主導でやるべきことなのに、とお互いに残念な気持ちを共有。

繰り返しになるが浜岡原発を停止さすべきではなかった。政権延命の為のパーフォーマンスであり、偽りの政治主導である。

国民の期待する政治主導とは、東京電力関連、自分の管理監督する財政さえ影響を受けなければ後は野となれ山となれの如き、無責任で邪悪な財務省の要求を撥ねつけ、あるべき救済スキームを国民に提示し、支持を得た上で勇気をもって進めて行く事の筈である。

政府はあるべき電力政策に就いて考える事はなく、政権維持の為にどう利用するかのみに終始している。財務省が考えているのは財政がとばっちりを受けない事のみ。経産省は東京電力を温存し、結果、管理監督権限の維持とそこから派生する天下りポストしか念頭にない様である。そして、そこにあるのはあるべき電力政策の不在と言う悲しい現実である。

私は、過去も、現在も、そして未来も基本的には戦後、「電力の鬼」と呼ばれた松永安左エ門翁の考え方が骨子になると考えている。

▼戦後の松永は、「電力の鬼」と呼ばれるほどの迫力で、電力事業の発展に取り組んだ。電力の安定供給がなければ、経済復興は不可能との信念からだ。一方で、今も財界人を中心にファンの多い、サミュエル・ウルマンの詩「青春」を訳し、紹介したことでも知られる。

▼「年を重ねただけでは人は老いない、理想を失う時に初めて老いがくる」。震災復興どころか、気力、体力を失い、老いを加速させているかのような日本の姿に、やりきれない思いだろう。

電力の如き国家安全保障に直結する産業に、政府が規制の網を掛ける事は必然である。そうであるが故に尚一層、民間の創意工夫、そしてここから出てくる活力が重要で、これが喪失すれば公益を満たせなくなると言うのが、「電力の鬼」松永安左エ門翁の哲学であった筈である。

中部電力を発足させたのは松永安左エ門翁である。そして松永イズムを終焉させたのは今回浜岡原発停止を決定した後継者である、同社水野明久社長である。歴史の皮肉を感じる。

さて、それではあるべき電力政策とはどのようなものであろうか?極めて単純で、電力の安定供給は必要で、電力料金は安ければ安い程良いと言う一言に尽きる。松本氏の提案する送電線網の分離は間違いなく、あるべき電力政策の一丁目一番地である。

送電線網を分離し、巨大プラントであれ、一般家庭であれ発電して余った電力を逆潮流電流として受け入れるのである。その為には透明な電力市場が出来なければならない。

そして、恣意的な監督官庁の行政指導ではなく、市場に管理、監督を委ねるのである。

何故、私が浜岡原発の停止に反対したり、政府が13日に閣議決定を目指す東京電力の救済スキームに反対するか理解戴けたと思う。いうまでもないが、政府のやっている事は私の考えるあるべき電力政策と真逆だからである。

最後に再生可能エネルギーの取扱いに就いて苦言を呈したい。

BBCは昨日の菅首相の会見内容を下記の通り報じている。

The current basic energy policy envisages that over 50% of total electricity supply will come from nuclear power while more than 20% will come from renewable power in 2030,” he said
But that basic plan needs to be reviewed now from scratch after this big incident.
Better safety must be ensured in nuclear power while renewables need to be promoted.”

政府エネルギー政策内訳を2030時点で原子力が50%以上、再生可能エネルギーが20%と説明した上で、基本計画は白紙に戻して議論するとしている。
さらに、原子力に就いては安全性の確保を条件とし、再生可能エネルギーの重要度を上げるとしている。

世界中の読者は日本は原発の新設にブレーキをかけ、再生可能エネルギーのアクセルを踏むと理解した筈である。

世界に向けてかかるメッセージを発表するのは良いが、当然の話として具体的な計画がなければならない。以前説明した通り、再生可能エネルギーの開発は絶望的な状況に置かれている。私同様、様世界のBBCの読者が記事を読んで訝しく感じている事であろう。

菅首相は優先順位を上げると発表した再生可能エネルギー開発の中身と商業化が可能と成る必要条件つまり、化石燃料との競合に耐えられると言う事を説明すべきである。

原油価格が現状の、バーレル$100で既に競争力を持つ所まで漕ぎ着けたのか、或いは$300が損益分岐点なのか、はたまた$1,000でも採算が取れないのか開示すべきである。

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