沖縄の基地は必要なのか?

2012年01月07日 05:00

勿論必要である。しかしながら3年前とは様相が随分変わっている様に思う。2012年をスタートさすに際し、何故沖縄に基地は必要なのか?をゼロベース考える事は有益と思う。


先ず、大きな変化は6日にオバマ大統領によって発表された、.<米新国防戦略>「二正面作戦」見直し アジア重視を明確化である。

オバマ米大統領は5日午前(日本時間6日未明)、国防総省で演説し、国防費削減に対応するための新国防戦略を発表した。米軍が約20年間にわたり維持してきた二つの紛争に同時対処する「二正面作戦」遂行の態勢を見直し、イラク駐留米軍の完全撤収とアフガニスタンからの段階的撤収を受けて大幅に地上戦力を削減。地域別では、安全保障上の脅威が軽減している欧州や中南米の戦力を削減し、中国の軍事的台頭を見据えたアジア・太平洋地域重視の方針を改めて明確化した。

この背景には、財政赤字削減が待ったなしのアメリカの台所事情があるのは間違いない。しかしながら、看過してはならないのは、アメリカは国内シェールガスの開発に成功しており、以前の如く化石燃料を中東に依存する必要がないという事実である。

Byron Wien’s surprises of 2012が実に判り易く説明している。

The extraction of oil and gas from shale and rock begins to be a game changer. The price of oil drifts back to $85 a barrel and the United States becomes less dependent on Middle East supply. Deposits in Poland, Ukraine and elsewhere prove promising as well. Increased production from Libya and Iraq and reduced demand resulting from the slowdown in world-wide economic activity contribute to the price decline.

オイルシェールの増産により、原油価格は$85 /バーレル迄低下する。アメリカは以前程中東に依存しなくなる。

沖縄の基地問題とは直接関係しないが、原発の新設も含め、アメリカが中東依存を着実に減らしている現状、日本が旧態依然原油の90%を中東に依存するというのは、余りにリスクが高いと思わざるを得ない。

次は北朝鮮の脅威である。Eurasia Group「2012年のTop Risks」を参照する。

Implosion or Explosion

In the worst-case scenario of rapid government collapse, US and South Korean forces would move north to secure North Korea’s nuclear sites, while China would likely send forces across the Yalu River to block any flood of refugees and restore basic security, creating the potential for unintended conflict given the absence of any joint US-China contingency planning. After all, the United States and China remain on opposite sides of the security divide in Asia, a problem that will only get bigger in 2012 (see risk #7).

内部崩壊か外部爆発か

急速に北朝鮮体制が崩壊すると言う最悪のシナリオでは、米韓は軍隊を北に移動させ、北朝鮮の核施設を占拠する展開となる。一方、中国軍は鴨緑江を渡り北朝鮮難民の流入を阻止するすると共に、基本的な治安の維持にあたる。問題は米中間に不測の事態が起きる可能性である。

金正恩体制は、まるで来月にも崩壊するかの如き悲観的な見方で驚く。この場合、沖縄基地は朝鮮半島の後方支援基地として活躍する事になると予測する。

EurasiaGroupのレポートを読む限り、沖縄基地活用の可能性の最も高いのは北朝鮮動乱の場合である。従って、韓国は日本に対しもっと感謝すべきなのである。李明博大統領が先月突然持ち出した「慰安婦問題」などという過去への拘りは理解し難くナンセンスと言うしかない。

最後に中国の脅威に就いて述べる。同じく、EurasiaGroupのレポートを参照する。

Regional Tension

It’s no surprise then that 2011 ended with a number of successful Asian security initiatives for the United States. An agreement with Australia’s government adds 2,500 US marines in Darwin. There will be new coastal combat navy ships in Singapore, and Indonesia purchased 24 new F-16 fighter jets. These moves are disquieting for Beijing, but they highlight the realities of Asia today: For many countries in the region, China’s economic development is a source of lucrative new business opportunities, but they want to avoid becoming too economically or politically dependent on Beijing. In 2012, we’ll begin to find out if this delicate balance can be maintained.

地域的緊張

2011 年、オーストラリアのダーウインに2,500名の米、海兵隊の常駐が決定し、シンガポールの沿岸警備艇の購入やインドネシアのF-16 戦闘機24 機の購入等、この地域の安全保障が前に進んだ事は驚くに値しない。この事は勿論中国を不安にすると共に、今日のアジアの現実を明らかにしている。この地域の多くの国に取って、中国の発展こそが儲かるビジネスチャンスである。しかしながら、中国との政治と経済の関係には一定の距離を置こうとしているのも、今一つの事実である。

No one wants a security confrontation that would undermine economic growth, but the enhanced US security presence in Asia emboldens China’s neighbors to take on more assertive policy positions with China, especially on strategic issues. Countries such as Vietnam or the Philippines—both entangled in boundary disputes with Beijing in the South China Sea—could decide that closer defense ties with Washington provide the cover needed to push back against perceived Chinese advances.

経済発展を犠牲にしての安全保障での対立を望む国はない。しかしながら、アジアにおけるアメリカの軍備の増強が、ベトナムやフィリッピンと言った、南シナ海で中国の侵攻による領海紛争を抱える国々がアメリカとの軍事協定を強化する事で、結果、中国の進出に対抗し、押し返す事を成功に導く。

沖縄は、上記アジアに於けるアメリカの軍事プレゼンスの中核となり、中国の野心に対する盾の役割をしていると推測される。

2012年の日本は、日米同盟を更に強固にし、対中の備えを万全にすると共に、中国との通商や対中投資を拡大すると言う、一件矛盾する行為を賢くやり遂げる必要がある様に思う。

そして、沖縄の基地こそが、日米同盟の目に見える具体的な絆そのものなのであろう。

山口 巌 ファーイーストコンサルティングファーム代表取締役


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