派遣労働のマージンとピンハネの混同 --- 古舘 真

アゴラ編集部

当ブログに書いた「噛み合わない派遣切り論争」に対してBLOGOSなどで大きな反響があったが、気になった点を一つ指摘する。


派遣労働のマージンとピンハネについて理解せず混同している人が少なからず存在する様だ。

「ピンハネ率」なる妙な言葉がよく使われる。根拠を明確に示さないのでどういう基準でピンハネ率なる数字を算定したのか知らないが、そういう人の文章を読むとマージンの額をそっくりそのままピンハネと呼んでいる気がする。

派遣会社がマージンを取る事について「名義貸し」とか「丸投げ(これ自体は必ずしも違法ではない)」などと混同しているのではないのか。

派遣会社は人を探したり労務管理するなど地味だが意外に金がかかる重要な仕事を担っている。

派遣労働におけるピンハネ額は派遣会社が派遣先から受け取った額の内、社会保険などの必要経費として正当な額を差し引いた額と考えられる。

ボランティアではないのだから派遣会社は派遣先から受け取った金を全て派遣労働者に渡してしまっては商売にならない。

派遣労働をピンハネと決め付けている人たちは派遣会社の取るマージンが何%でどの程度なら適正なのか示すべきだろう。そうでなければピンハネがあったかどうか決められまい。

現実には仕事の内容や派遣会社の規模などにより必要とする金額がかなり違う可能性があり簡単にどれ位が適正とは言えないだろうが、マージンをそっくりそのままピンハネ額と決め付けられては派遣会社もたまらないし、そういう人は小学生からやり直した方がよいのではないか。

この様にピンハネという言葉もまた「派遣切り」と同様に定義が曖昧で人によって違う使い方をされており、あたかも言葉が独り歩きしているようだ。

ピンハネについても意味をきちんと理解して使ってもらう必要がある。

これは私のサイト ある作家のホームページ>社会科学>派遣労働問題を考える>マージンとピンハネの混同 を編集したものなので興味のある方はそちらをご覧頂きたい。

古舘 真