視界不良となった消費増税

2012年08月07日 13:09

今朝の朝日新聞が伝える所では、自民、解散の確約要求 きょうにも不信任案との事である。

消費増税関連法案の参院採決をめぐり、自民党は6日の幹部会で、衆院解散を採決前に確約するよう野田佳彦首相に求めることを決め、谷垣禎一総裁に対応を一任した。首相が確約しなければ、自民党は7日にも衆院に内閣不信任決議案、参院に首相問責決議案を提出する方針で、増税法案が今国会で成立しない可能性も強まってきた。


仮に、野田首相が自民党の要求する衆院解散の確約を拒否すれば、不信任案の提出となり消費増税可決の前提条件である三党合意は実質白紙撤回である。

一方、衆院解散を飲めば、落選するであろう多くの民主党議員が造反するであろうから、民主党は政権与党の体を成さなくなる。「詰んでしまった!」。そんな印象を受ける。それとも、野田首相は何か有効な切り返しの秘策を胸に秘めているのであろうか?

今回の自民党の動向を唐突と受け取る向きも少なくは無い。しかしながら、私は全くそうは思わない。当初からの予定の行動と理解している。

自民党の戦略は極めて単純明快であり、下記三点から構成されている。

先ず第一は、選挙に強い小沢議員を民主党から排除し、民主党を骨抜きにする事であった。そして、これには既に成功している。

次は、面倒で不人気な「消費増税」を野田内閣にやらせ、自民党が政権を取った時の負荷を軽減すると共に、野田内閣の支持率を下げる事である。

最後は、消費増税決定後可及的速やかに選挙を行い、政権に返り咲く事である。

四月一日の朝日新聞記事、自民幹事長、条件つき「話し合い解散」容認発言が、極めて明け透けに自民党の野心と思惑を説明している。行間を読むが如き知的な作業は全く不要である。

小沢議員排除に成功した今となっては、さっさと消費増税を国会で通し、他党の準備が進まぬ内に選挙に持ち込み圧勝する積りである。選挙には手足となって活動してくれる組織と兵隊が必要なので、自民 政権公約に「日本再生債」といった「餌」をぶら下げて、全国の土建屋を活用する予定なのだと思う。

繰り返しとなるが、野田首相は自民党の攻勢に対し何か有効な切り返しの「秘策」を持ってここ迄来たのであろうか?何もなしだとしたら、「余りにも稚拙」との誹りは免れないと思う。

今一つ残念な点は、一貫した、国民にきちんと説明しようと言う気持ちの欠如である。五月のアゴラ記事、何故国民は消費税増税に反対するのか?で批判したが、これでは国民の気持ちは離れて行くばかりである。内閣支持率22% 発足以来最低 朝日新聞世論調査と、事実惨憺たる事になっている。

以上が私の雑感であるが、先ずは、今日の永田町の動向を注視したい。

山口 巌 ファーイーストコンサルティングファーム代表取締役

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