サムスン電子に引き続きコーロンインダストリーもアメリカの裁判で完敗

2012年09月02日 11:29

朝鮮日報の伝える所では、デュポンが起こした訴訟でコーロンが完敗したとの事である

米裁判所の判決を受け、コーロンは31日、「ヘラクロン」という商品名で販売しているアラミド繊維の工場(慶尚北道亀尾市)の操業を中断し、生産禁止命令の執行停止を求める仮処分申請を行った。コーロンは亀尾工場でアラミド繊維を年間5000トン生産している。米裁判所は全世界での生産・販売を禁止するとの判決を下したが、各国が必ずしもそれに従わなければならないわけではない。コーロンは控訴審での攻防を念頭に、裁判所の指示に従わないとの印象を与えることを避けるため、工場の操業中断に踏み切った。


記事に依れば、コーロンインダストリーの昨年の売上高は約2810億円、純利益は約210億円に過ぎない。賠償金9億2000万ドル(約721億円)の支払いは同社の屋台骨を揺るがす事になるに違いない。

上記に加え、デュポンの莫大な訴訟費用や亀尾工場操業停止の負担が同社に重く圧し掛かる事になると思う。

サムスン電子同様身から出た錆とは言え、コーロンは重すぎる十字架を背負ってしまったのだと思う。

問題は、サムスン電子、そして今回のコーロンと裁判で連敗を重ねた訳であるが、これで一旦打ち止めとなるかどうかである。

決してそうは思わない。先ず第一に、新日鉄に依る韓国の名門企業ポスコに対する、方向性電磁鋼板関連1千億円の損害賠償を求める訴訟がある。この分野に詳しい有識者に聞く限りでは新日鉄の敗訴は考えられない。

仮にポスコが新日鉄に敗訴すれば、サムスン電子(電子機器)、コーロン(繊維)そして、ポスコ(鉄鋼業)と基幹産業を横断的に韓国企業が裁判で連敗する事になり、直接的な損害賠償金額負担のダメージは当然として、それに加えて韓国企業のイメージダウンも相当のものになる筈である。

今一つは、今後の「特許」をめぐるアメリカ企業の動向である。アップルがサムスン電子に、次いでデュポンがコーロンに完勝し、巨額の賠償金を受け取る事になるであろう情景を目の当りにして、「特許」関連での韓国企業狙い撃ちが当面続くのではないか?

さて、この動きは日本企業に如何なるインパクトを与えるのであろうか?

先ず、アップルとサムスン電子の法廷闘争であるが、下記が興味深い。漁夫の利ではないが、新型アイフォーンでは、半導体メモリーをサムスン電子に取って代りエルピーダメモリが、同様、ディスプレーをシャープが受注したとの話である。

両社は最終製品で競合するライバルでありつつも、端末の心臓部であるプロセッサーや液晶ディスプレーなどの基幹部品については、技術や価格面で優れたサムスン製品に依存する関係を続けてきた。しかし新型アイフォーンは、半導体メモリー「DRAM」をエルピーダメモリに、ディスプレーをシャープや韓国LG電子などに大量発注したもよう。訴訟の長期化に備え、着々と「脱サムスン」を進めている。

一方、今回コーロンが完敗のアラミド繊維に就いても日本企業が圧倒的に強そうである。

先ず、帝人は1950年代より、この分野に取り組んでいる。そして、最近もNASAから火星探査機のパラシュート用に受注している。勿論、独自技術と実績が高く評価された結果である。

一方、東レは今回コーロンを告訴したデュポンと合弁企業を運営している。従って、特許侵害等有り得ない。

こう言う客観的事実を素直に観れば、コーロン亀尾工場操業停止に依って生じる穴は、日本メーカーである帝人、東レが埋める事になると推測せざるを得ない。

私は、野田政権は「国内知的財産」の韓国への流出を徹底的に防ぐべき 、で韓国のアキレス腱が知財にあるとし、これを対韓交渉のカードに使う事を推奨した経緯がある。勿論、何時もの様に野田政権の反応は鈍く行動は遅い。

最早、現政権に期待する事は何もない。精々、致命的な間違いをしない事位である。そして、次期政権に適切な外交を期待したい。

次期政権が軌道に乗る迄は、日本企業は今後多発すると思われる韓国企業を狙い撃ちにする特許関連訴訟に便乗して、韓国企業のシェアを次々に奪うべきと思う。韓国経済を日干しにするのである。

先ずは国内工場の増産で対応し、中長期的にはインドネシア、ベトナムそしてミャンマー等に新工場を建設しサプライチェーンの厚みを増すのである。

こう言った東南アジア諸国との通商を活性化すると共に、自衛隊に依る技術支援強化も必要である。

通商と言うソフトパワーと軍(自衛隊)のハードパワーを組み合わせ最適化を図るのである。中国包囲網の構築である。「尖閣防衛」には最も効果的ではないのか?

涼しい風が吹く9月になった事でもあり、竹島への李明博大統領上陸や、尖閣への香港市民活動家上陸と言った形而下的な話に一喜一憂するのではなく、「安全保障」を基軸とした中長期の戦略を考える必要があると思う。

山口巌 ファーイーストコンサルティングファーム代表取締役

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