ヒト・コト・モノは、もっと細かくなる~細分化する世界 @toriaezutorisan

2013年02月12日 08:00

最近、メディアやコンテンツについて考えるたび、サービスそのものやそれを取り巻く環境が細分化していっていると実感しています。このキーワードを理解することが、現在の状況を考えるに当たって非常に重要なことなのではないでしょうか。細分化の意味について、説明していきます。


■何をするか?行動の細分化

「ネットメディアの登場によって、マスメディアのシェアが減少している」という話を目にします。しかし、本質的にはネットメディアが登場したからというよりは、ユーザーの時間消費方法が細分化したというのが正しいのではないでしょうか。
まず、ネット以前では情報やコンテンツは受動的に受け取るものでした。90年代後半以降にポータルサイト等のネットメディアが複数登場しますが、これは受動的に閲覧するメディアの種類が増えたというだけです。
やがて携帯電話が普及しimodeが始まると、メディアを閲覧する以外にもゲームを楽しんだりツールになったりという役割が増えました。メディアを見るという選択肢以外にもゲームを楽しむ、ツールを使用する等の「時間をどう消費するか」という選択肢が増えていきます。

一番のきっかけは、2000代後半以降に皆が発信側にまわったということです。CGM系サイトの登場により、動画をアップしたりレシピを投稿したり、またブログを書いたりと発信を行うユーザーが現れます。しかし、それは閲覧しているだけのユーザーに比べればまだ一部でした。しかし、SNSが本格的に普及したことによりネットに接しているほとんどのユーザーが「近況をつぶやく」という発信を行うようになったのです。

今までは情報はすべて受動的に受けるものだったのが、最終的には一般的な人々皆が発信をするようになりました。ここでつぶやかれた内容もまた、一つの情報発信であり定義の仕方によっては個人メディアなわけです。しかもこの個人メディアは、インターネットを使う人数分に乗じるのでその量は無尽蔵です。

整理をすると、今まではただメディアを受動的に閲覧するという「何のメディアを見るか?」という選択肢だったものが、現在では無意識のうちに選択肢がツリー型に細分化しているのです。
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■どのくらいするか?消費時間の細分化

2点目の細分化が、消費時間の細分化です。何をするか、という行動が決まった後に、それにつぎ込んでいる時間もまた、細分化しているのです。よく言われるのが、ケータイ電話の普及によりポータブルになった結果、隙間時間に使えるように1アクションの終了時間が数分単位になったということです。

据置型のゲームは最低でも1時間程度はプレイしなければストーリーが進みませんが、ソーシャルゲームは1度に数分もプレイすればそれなりに進み、数分のタームを1日に複数回繰り返せば遊べる設計になっています。

SNSにしても、mixiが普及し出した頃は、それなりに長文の日記を書いて公開していました。そして、数時間から1日おいてコメントがついているかをチェックしたものです。しかし、TwitterやFacebookの登場により1つのつぶやきにかかる作成時間は1分もかかりません。公開するとともに、早ければ数秒でリアクションがかえってくるのです。
このように何かに費やす消費時間の単位が以前に比べて驚くほど細かくなっているのです。SNSを閲覧している間、数分、数秒単位のアクションを繰り返しながら、コンテンツの発信と受信を繰り返しているのです。

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■何を使ってするのか?デバイスとリテラシーの細分化

最後は、デバイスとリテラシーの細分化に伴い、用いられるツールや方法が細かくなっているという話です。皆さんは誰かに連絡をしようとしたら、何を使いますか?私は主に以下を使い分けています。

・Facebookメッセンジャー(パソコンを使って仕事の会話をする)
・LINE(スマフォを持っていて、かつLINEを入れている友人との会話)
・SMS(スマフォは持っているけどLINEを入れてない友人との会話)
・メール(スマフォを持っていない友人との会話)

以前はこれがメール一択でしたが、デバイスと各種コミュニケーションサービスの発展に伴って選択肢が増えているのです。加えて、スマートフォンやメッセージアプリ自体を導入していない人に連絡する場合はメールを使うことになります。「連絡を取る」という一つの目的に対して、デバイスの環境やリテラシーが人それぞれであるため、どの方法を用いるかという選択もまた、細分化されているのです。
ただ、この点に関してはスマートフォンへの移行途上であるので、一過性の現象ではありますが、スマートフォンの高機能な性質上「やれること」の選択肢が広がっているので、何かをする際には「自分(や相手)のリテラシーに合わせた手段を選ぶ」という作業が発生することは変わりないと思います。

そして、前半部分に記した「行動の細分化」や「消費時間の細分化」という現象が起こっていないグループの人々もたくさんいるのです。ネットメディアに触れたり、ゲームをしたり、SNSに接触しなければそういった状況に直面することもないからです。それなりにまとまった消費時間を使って、マスメディアに接触している人々がたくさんいます。

以上が最近ひしひしと感じる「色々なことの細分化」という現象なのですが、ひとつ言えることは従来は100人いたら数個のグループにセグメントしてマーケティング出来たかもしれないけれど、現在ではそれがもっと細かくなっており、将来的にさらに細かくなるかもしれないということです。
ということは、これまでのマーケティング手法で商品を出し続けても、なかなかユーザーに刺さらない(あるいは情報自体が届かない)という状況が想定されます。

ここに書かれた一連の現象は、あくまでも今起こっている情報を整理しただけなので「それではこれから、どうなるのか」という理論の展開があるわけですが、長くなってしまうのでそれはまた別の機会にします。
ちなみにキーワードだけを並べると、全体的なキーワードは「コンセプト」になり、ビジネス的なキーワードとしては「小さい市場の定義と顧客単価の設定」や「データの最適化」の時代になるのではないでしょうか。

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