安倍政権が取り組むべき三つの構造改革

2013年03月08日 11:18

安倍政権の支持率は高い。一方、野党は民主党を筆頭に野垂れ死に一歩手前。夏の参議院選挙で政治の表舞台から消えてしまうに違いない。


ついては、安倍政権に期待するのは正しい独裁である。高い支持率を背景に手付かずであった三つの構造改革に早期に着手してほしい。

第一は、地方と中央の歪みの是正である。

藤沢氏のアゴラ、エントリー、一票の格差で都市住民は大損しているが指摘する通り「一票の格差」是正はその一丁目一番地である。

IT戦略会議に出席し「イットって何?」の名言(迷言?)を残した森元首相は今でも国会議員の職にある。

一方、当時羽振りの良かったITベンチャー経営者の殆どは市場に淘汰され、今尚活躍しているのは楽天の三木谷社長などごく僅かに過ぎない。

問題なのは、その両者の明暗を別けたものは何か?という事である。

「一票の格差」の恩恵を受け、地方選出の国会議員は米農家に千切れんばかり尻尾を振り、地元に公共事業を引っ張れば首が繋がる。

国会議員の地位が安泰な訳だ。これを繰り返す内に自然に大物議員に出世する。例え頭の中は空っぽでもである。。。

確かに高度成長時代は田中角栄がその代表であるが、政治は中央で稼いだ金を地方に分配すればそれで良かった。

中央も地方も皆幸であった古き良き時代である。

しかしながら、現在は真逆である。政府の仕事は負担の分担調整に過ぎない。政府に金がないからである。

都市住民も地方が負担を分担する事は無理と諦めている。しかしながら、これ以上都市に負担をかけ続ける事には決して快く思っている訳ではない。

地方住民や地方行政が理解出来ているか否かは兎も角、地方が従来の「コストセンター」から「プロフィットセンター」になる事は無理でも、せめて「自立」してくれよ!と都市住民は願っている訳である。

今一つは、製造業に取って地方が工場建設候補地として魅力を喪失した事実である。

戦後の高度成長時代は地方は廉価な工場用地と、都市と比較して勤勉で安価な労働力を供給出来たかも知れない。

しかしながら、今やテレビで大和ハウスのベトナム工業団地のコマーシャルが放送される時代である。

ベトナムやミャンマーにあらゆる点で日本の地方都市は敗北している。現在地方都市に工場を持っている企業の大半はこういった新興産業国への移転を考えているはずである。

新規の工場建設など有り得ない話と思う。

第二は、「農政改革」である。TPP加入交渉参加は絶好のチャンスとなるはずである。詳細は、以前のアゴラ、エントリーTPP交渉参加と日本の農業問題で説明済みなのでこれを参照願いたい。

最後は、「解雇規制」の撤廃である。

日本の失われた20年の背景にあるのは、米農家含め低生産性にも拘わらず、国や企業の保護政策に守られ、人材がまるで体内の内臓脂肪の様に低生産性部門に滞留してしまう事である。

日本のGDP=現役世代一人あたりの生産性×現役世代総数 であるから、GDP引き上げのためには、痛みは伴うであろうが、人材を流動化させ、より高い生産性が期待可能な産業部門にシフトさせる必要がある。

「解雇規制」の撤廃⇒職業教育、再教育の徹底⇒再雇用に対する減税などの対企業インセンティブ供与をセット、パッケージで実行する必要があると思う。

「追い出し部屋」の是非を議論しても何の意味も無い。

大事な事は問題解決のための政策を立案し、勇気を持って実行する事である。

山口 巌 ファーイーストコンサルティングファーム代表取締役

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