こんな時だから、もう少しつっこんで「投資」と「投機」について考える --- 九条 清隆

2013年03月13日 08:00

投資にせよ投機にせよ、市場に勝てるのか? というのは永遠のテーマである。

市場には勝てないとあきらめた一派は、市場ポートフォリオへの投資を薦める。いわゆるインデックファンドといわれるものだ。残高はずっと増え続けているし、最近のパフォーマンスも絶好調だ。

いやいや、そんなはずはないよという一派は有望な個別株の発掘に精を出す。
いわゆる、ファンダメンタルズといわれるリサーチ情報の取得・分析で人を出し抜くことや、誰も気づいてないシナリオを先読みすることで超過収益を狙おうとする。




インデックス否定派の中には、ファンダメンタルズは無視してマーケットの動きそのものに挑戦する集団もいる。デイトレーダーといわれる人たちはみんなそうだ。自分だけはマーケットを出し抜いて儲けられるのではないかと夢をいだき参戦する。儲かる手法を求めていろいろと売買を繰り返す。あえなく散るものもいれば、生き残るものも一定数いる。

ヘッジファンドは、両方のアプローチを混ぜ合わせており、インデックス否定派の急先鋒でもある。


そもそも、市場に勝つということはどういうことだろうか?
 市場の動きにかかわらず、常に儲けを出すということである。
それを絶対リターンという。絶対リターンを上げること=市場に勝つことにほかならない。



絶対リターンを生む手法を市場ポートフォリオに継ぎ足せば、市場に勝てる。
あるいは、市場ポートフォリオをわざとちょっとだけずらして、それによって収益の上乗せを狙う。うまくいけばその分市場に勝てる。

ヘッジファンド的な運用に踏み込めない伝統的な運用会社は、これをわざわざアルファ戦略ともったいぶった呼び方をしている。そもそも、アルファア戦略でリターンを上乗せできるなら、インデックスの隅でこそこそやらないで、それだけを堂々と別建てやってもよさそうだが、どうやらそれだと顧客の受けが悪いらしい。

では、市場の動きに関係なく絶対リターンを上げるにはどうすればよいか?
 ふたつ方法はある。



1. 期待値が100%を超える手法を繰り返し続けること。期待値は回収率と置き換えてもいい。

期待値が100%超えるということはかなり難しい(当然ギャンブルのすべてが期待値は100%未満である)。
市場全体がプラスサムの状態の時だけ参加するということ。
しかし残念ながらこれは市場が右肩上がりを続けるということであり、市場の動きがどんなときにもという前提条件に抵触する(市場が右肩上がりだと平均的にはみんな儲かるのだが)。
となると、期待値が100%以上の手法とはたぶん裁定取引しかないことになる。しかも、ITが発達した今、そうそう裁定取引のチャンスが転がっているものではない。



2. 期待値が100%以下であるにもかかわらず、なるべく長い間プラスを保てる合理的な賭け方(投資)を行い、まんまと勝ち逃げすること。



身も蓋もない答えだが、伝説のトレーダーといわれた人が、実はたまたま長期シナリオを数回当てただけで伝説でもなんでもなかったり、これまで稼いできたヘッジファンドが突然破綻したりするなんてことは、全然不思議でもなんでもないのだ。

九条清隆
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