昨日のアゴラ記事、大失業時代を若者はどう迎え撃つべきなのか?に対し、早速辻先生より良いコメントを戴いたので、下記参照する。
私の実感としては、海外でも日本でも、人間は、ほとんど同じだということです(まあ細かいことで違いはありますが)。 要は語学さえできれば、問題なく、語学も一か月も訓練すれば、誰でも話せるようになると思います。
ですから、海外に留学する、あるいは勤務するというのは、選択肢を広げる、あるいは、より優れた人たちに会う、という目的になると思います。
ビジネスチャンスは海外の方があるのか、という点ですが、それは何とも言えないです。 アジアが成長著しいとはいえ、中国人、韓国人も職探しが困難な状況で、日本に来て居酒屋で働いているくらいですから、安易な気持ちで海外で、というのは難しいような気がします。
辻先生は、確か東大からハーバードに留学され最短の二年で博士号を取得されたと聞いている。帰国後の研究や、大学教授として研究室を運営するに際し、留学経験がどの様なプラスのインパクトを与えたかなど、是非お聞かせ願いたいものである。
私は、若者に海外留学や海外勤務を奨めている。だからといって、日本から出て行ったら二度と帰って来るなといっている訳ではない。
勿論、現地で成功し永住したり長期に滞在するのも一つの選択である。
しかしながら、今後の日本に取って大事な事は、規制を緩和し、国を開き、世界から人材を募集し、「サービス」であれ、「商品」であれ最低でもワンランク上を目指して行く事だと思う。
そして、海外から世界クラスの「頭脳」の受け入れを可能にするのは、「海外でも日本でも、人間は、ほとんど同じだ」という普遍的事実を実感として体験した人材でなければ難しいと思っている。
そういう意味からも、将来ある若者は気楽に留学、駐在で海外に出た方が良いと主張している訳である。
懇意にさせて戴いている東大の先生は今ドイツに出張している。
会社員として働いている友人の多くは、海外出張から帰国したばかりであったり、現在出張中、これから出張といった状況である。
そういえば、辻先生も今はパリ出張中では?
海外に頻繁に出られる方は「刺激」を受ける事が多いからか元気で前向きだと思う。又、別の角度から状況や問題点を見る事を習い性にしているので、総じて常識的、真っ当と感じる事が多い。
経営学を勉強した人なら、「意図的戦略」(Intended Strategy)と「創発的戦略」(Emergent Strategy)の二種類がある事をご存じと思う。
前者は社内の企画部門や、リテインしたコンサルタントが作成する事が多い。彼らの評価はパワポ資料の中身と量で判断されるので、結果、矢鱈分厚く、色彩鮮やかなものとなる。資料としては立派だが、惜しむらくは実際に実行して巧く行くケースが少ない。
後者は私の様な叩き上げの営業マンが実際にやってみて状況に合わせて都度変更して行くものである。所詮、力技に頼る域を脱しないが、何とか着地点には落下出来るケースが多い。
今後、海外案件が増えるとし、相変わらず企業が「創発的戦略」(Emergent Strategy)に依存するとするならばGlobal人材の需要は増えると思う。
「「海外」を今少し気楽に考えては!」関連最近の実例を紹介し、このエントリーの結びとしたい。
日本の若者はもっと気楽に生きるべき!で紹介した、マレーシア、ペナンから一時帰国された、グロービット代表取締役大竹由将氏を著名な料理研究家、美容研究家、ネイルアートといった専門家のマネージメントを手掛ける企業経営者に引き合わせた。
大竹社長帰国後早速動いてくれた結果、ペナン州政府公認イベントをターゲットにすべしとの結論となり専門家のマネージメントを手掛ける社長は来月現地に出張すべく現在準備中である。
このケースは日本でブームになったものが、何年か遅れでアジア新興産業国で同様ブームになるので、それをビジネスチャンスとして捕えようという極めて単純なものである。
煮詰まった日本で頭を抱え込むより、外に眼を向ければ意外と簡単!という例だと思う。
山口 巌 ファーイーストコンサルティングファーム代表取締役