解雇規制緩和と雇用の流動化 --- 九条 清隆

2013年03月30日 07:00

解雇規制の緩和や雇用の流動化をどう進めればいいのか、非常に繊細な問題です。

向かっている方向はなんとなくわかっていても、なかなか思いきった提言や改革ができないのが悩ましいところです。


中高年の給与水準が、相対的に高止まりしていることが、この問題の大元だとも考えられます。しかし、中高年からすれば、若いころに賃金を低く抑えてきた分を後付でもらうというルールを信じてきたわけで、いきなりルールを変えるといわれても、そんなことは聞いていないといことになります。でも、この仕組みはいつまでも、もたないだろうということもうすうすとは感じています。

20代30代は、すでに賃金の二極化への心構えはできています。単純な仕事を選べば、賃金の伸びはあまりなくとも雇用を確保できる可能性は高まります。高度な専門職は賃金が急激に伸びていきますが、いつどこで転落するかはわかりません。30年間このままあいまいにしておけば、いずれなるようになるのでしょうが、ゆがみはなんとか少しでも前倒しで解消したいものです。たぶんこれもアベノミクス4本の矢になるべき類のものだと思います。

対策のひとつが、「現金による解決」だと思いますが、昨日首相が否定したことでこの問題も袋小路入りしそうな雰囲気です。

私自身も現在仕事を探していますが、中高年の雇用市場はほとんどありません。新卒の就職難はみんな知っていますが、中高年の再就職問題は水面に潜っています。ハローワークで何十回紹介されても面接にすら呼ばれません。

思いっきり水準を下げたとしても、現行の中高年の賃金体系の壁がある限り、安くても働きたい労働者を雇用市場から迎え入れるのは非常に難しいのです。過去の肩書が逆効果に作用する場合もあります。扱いにくくてもいやだし、組織にまた新たなゆがみを生むことを保守的な企業は好みません。

安い賃金でもいいから働きたい人と、高いけどしょうがないから古い従業員を残す企業とのギャップが埋まっていくのは、このままだとおそらく10年単位の時間がかかるのでしょう。

「現金による解決」によって現在の職場を離れたとしてもも、もしそこに「中高年の労働市場」が存在すれば、物事は動き始めるはずです。

もう少し知恵を絞りたいところです。

九条清隆
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