地球温暖化は減速している?

2013年04月06日 23:41

世の中には党派的になりやすい問題があって、原子力はその筆頭だが、日本では金融政策まで党派ができてしまう。地球環境もその一つで、温暖化を信じるのは進歩的な環境保護派で、それを疑うのは財界に買収された利権派ということになるらしい。


私はどっちでもないが、最近のEconomist誌によれば、世界の平均気温は上がり続けているものの、そのペースは図のようにIPCCの予測した幅の下限に近く、最近ではほぼ横ばいになっている。

この間に世界のCO2濃度はこれまで以上のスピードで上がっているので、人為的温暖化説には疑問がある。IPCCの第4次報告書では、2100年に地球の平均気温は2~4.5℃(最尤値は3℃)上昇すると予想されているが、最近の研究のほとんどはこれほど大きな上昇を予想しておらず、2℃以下という予測が多い。

こういうシミュレーションは科学的事実ではなく、Economist誌の皮肉によれば格付け会社のレーティングみたいなもので、あまり真剣に信じてはいけない。温暖化は確率的なリスクであり、それをゼロにすることは可能でも望ましくもない。多くの経済学者は、常識的な時間選好率で割り引くと、このリスクは温暖化対策のコストよりはるかに小さいと考えている。

温暖化を防ぐ手段としては原発が有力だが、原発でまた苛酷事故が起こるリスクもゼロではない。このように多くのリスクやコストを定量的に比較し、その便益と比較衡量してベストミックスを考えることが合理的なエネルギー政策である。原発とか太陽光とか特定の発電手段について党派的な論争を繰り返すことはもうやめるべきだ。

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池田 信夫
アゴラ研究所所長 青山学院大学非常勤講師 学術博士(慶應義塾大学)

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