社長の出口のブログ「グローバル人材とは何だろう」に触発されて。厚生労働省が今後の成長に求める人材について企業に聞いたところ、1. 未知の世界に飛び込める行動力、2. 最後までやり抜くタフさ、3. 自分の頭で考え、課題を解決する能力、と回答したとのこと。
しかし、これでは超ドメスティックの人材でも該当するような気がする。出口のブログでは一番最後に「英語」と付け加えているが。
そこで、私がイメージするグローバル人材の定義を考えてみた。
まず、具体的なロールモデルがいた方が分かりやすい。わが保険業界でいうならば、スイスのバーゼルにある保険監督者国際機構(IAIS)の事務総長・河合美宏氏が該当する。世界の保険業界で高く評価され、尊敬される日本人だ。
まず、河合氏が行った基調講演の動画を見てみよう(通勤中のスマホでは見づらいかも知れませんが、ぜひ見てください)。この30分の動画を少し見るだけで、河合氏がなぜリスペクトされるか、分かる。
突き詰めて言えば、
国籍を問わず、相手の心を動かすことができるコミュニケーション能力
だと考える。
1. 英語
発音はジャパニーズイングリッシュ、文法は受験英語だが、言い回しは流暢。原稿を読みあげるわけではなく、自分の言葉で力強く語る。練習あるのみ。ヒアリング能力はさらに重要。
2. 立ちふるまい
スピーチをはじめるに際して、司会者をファーストネームで呼んで感謝の意を示す。話しながらの身振り手振り。結論を整理して先に明確に述べる。国際社会のやり取りでは基本的なプロトコルがある。握手はがっちりと力強く。相手の目を見ながらファーストネームを述べる。相手の国と共通の話題を探す。これが一番難しいかも知れない。
3. コンテンツ=世界観と自分なりの意見
海外の人たちがどんな問題意識と世界を持ち、どんな議論が行われているのか。何がキーワードになっているか。それらを理解した上で、自分なりの明確な意見を持っていることが必須となる。流暢でなくともいい。骨太の議論さえできれば。
こう考えると、海外留学して身に付くのが何かが分かるし、留学しなくとも身につけられることが分かる。今後のグローバル社会で生きていくための三つの要素を、ぜひ皆さんも身につけて頂きたい。
編集部より:このブログは岩瀬大輔氏の「生命保険 立ち上げ日誌」2013年4月25日の記事を転載させていただきました。
オリジナル原稿を読みたい方は岩瀬氏の公式ブログをご覧ください。