インターネット選挙運動解禁って? --- 岡 高志

2013年05月04日 06:00

先日、国会で公職選挙法の改正案が可決され、インターネット選挙解禁として話題になっています。でも「こんなもの」インターネット選挙解禁! というほどのものではありません。インターネットで家に居ながら投票できるところまでできてインターネット選挙でありましょう。今回のは、正確には「インターネット選挙運動」の解禁とよぶべきです。


そんなにすごいことではないよ! ということの説明のために、公職選挙法の一部を改正する法律案を読み解きます。まず重要なのは「選挙運動」という言葉の定義。これは、 target=”_blank”>私のブログの記事をご参照ください。

では、下記4つの改正点について、私の意見を述べます。

  • ウェブサイトの利用
  • 電子メールの利用
  • 映像の利用
  • 当選挨拶
  • ウェブサイトの利用

第142条の3で 選挙運動のために使用する文書図画は、ウェブサイト等を利用する方法で頒布できる。旨、定めます。ホームページ、ブログ、SNSは選挙中も使っていいよ。ということです。

今までも選挙期間前にウェブサイトは作成するのは自由で選挙期間に入って更新ができなかっただけで、ウェブサイトで十分に候補者の政策・人柄を伝えることはできていたのです。もちろん、これからは選挙活動としてウェブサイトを作成できるので、「投票してください!」「OO選挙候補者」と直接的な表現を使用することができるのでしょう。今までも、「区政に挑戦!」、「お任せください!」といったふわっとした表現でアピールできていましたので、実際の効果は変わらないのです。

・電子メールの利用

第142条の4(電子メールを利用する方法による文書図画の頒布)の条文を要約して紹介します。

1項 候補者と政党は、電子メールを利用する方法により、選挙運動のために使用する文書図画を頒布することができる。

2項 選挙運動用電子メールの送信をする者は、次の各号に掲げる者に対してのみ送信できる。

1号 あらかじめ、選挙運動用電子メールの送信をするように求める旨又は送信をすることに同意する旨を選挙運動用電子メール送信者に対し通知した者

2号 選挙運動用電子メール送信者の政治活動のために用いられる電子メール(「政治活動用電子メール」)を継続的に受信している者

3項 選挙運動用電子メール送信者は、次の各号に掲げる場合に応じ、それぞれ当該各号に定める事実を証する記録を保存しなければならない。

1号 前項第1号の場合 自ら通知したこと及び送信をするように求めがあつたこと又は送信をすることに同意があつたこと。

2号 前項第2号の場合 自ら通知したこと、継続的に政治活動用電子メールの送信をしていること

5項 選挙運動用電子メール送信者は、選挙運動用電子メールの送信に当たつては、当該選挙運動用電子メールを利用する方法により頒布される文書図画に次に掲げる事項を正しく表示しなければならない。

・選挙運動用電子メールである旨
・当該選挙運動用電子メール送信者の氏名又は名称
・当該選挙運動用電子メール送信者に対し、前項(送信不要の旨)の通知を行うこと
ができる旨
・電子メールの送信その他のインターネット等を利用する方法により前項の通知を行
う際に必要となる電子メールアドレスその他の通知先

つまり、今回の改正では、電子メールは送っていいんだけど、あらかじめ「選挙運動用電子メール」の送信について先方の同意があることが必要で、その証拠がなくてはいけないし、メールの文面にも「選挙運動用電子メール」であることを明記しなければいけないということになります。

なんだか面倒です。

そのような同意をあらかじめしてくれている有権者は、選挙に際してメールをしなくても投票してくれるのではないでしょうか? 支持者が固まっている組織政党が形式的に行う選挙活動については、手間とお金がかからなくなります。「いつもお願いしてるけど、OO候補に入れてください。お願いしますね。」と、支持者リストに1件1件電話を入れていたのを、一気にメールで済ますことができます。つまり、このような形で電子メールの利用が解禁されても、インターネットで無党派層にアプローチできるようになったとはいえません。

今回の法案に対して、民主党とみんなの党は、候補者以外の第三者でもメールが使えるようにと訴えておりましたが、そういった事情もある訳です。

・選挙になって、応援してくれる有権者からお友達のメアドをもらって、投票依頼のメールを送る
・候補者発信の投票依頼のメールをお友達に転送してもらう

といった無党派層に拡散していくメールの利用はできないのです。

・映像の利用

いままで、演説会場で音響とポスター程度しか利用できませんでしたが、第143条第1項第4号の2 で「映写」なるものが利用可能になります。インターネットと直接の関係がないためか、あまり、話題になっていませんが、映像の利用は大きな可能性を秘めています。

・当選挨拶

現行の第178条で、以下のように規定されています。

何人も、選挙の期日後において、当選又は落選に関し、選挙人にあいさつする目的をもつて次に掲げる行為をすることができない。
1号 選挙人に対して戸別訪問をすること。
2号 自筆の信書及び当選又は落選に関する祝辞、見舞等の答礼のためにする信書を除
くほか文書図画を頒布し又は掲示すること。

今回の改正では、「信書を」を「信書並びにインターネット等を利用する方法により頒布される文書図画を」に改めるので、これからはインターネットで当選御礼が出来るようになります。

よく議員のブログやSNSで、「当選のお礼は公職選挙法により禁止されているので、ありがとうということができません。」などとあいさつ(これ自体が、公職選挙法に抵触しています)があるのですが、これからは、堂々と「当選御礼」とつぶやくことができます。現職議員の立場からすると、一番選挙の負担になるお礼が簡単に済ませることができます。よかったですね(笑

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岡 高志
大田区議会議員(民主党)

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