女性の社会進出と少子化ストップには外国人メイドが効く

田村 耕太郎

私の留学時代からの友人で、財務省からADB(アジア開銀)への出向を終えたご家族と今朝は朝食をご一緒した。彼らの話から色んなインスピレーションを受けた。その中の一つに、メイドの話がある。私自身もシンガポール滞在時に実感した話だが、少子化対策には色々あるが、女性の社会進出が進めながら、子供を増やしたいなら、リーズナブルなメイドの供給がけっこう効くと思った。


フィリピンはじめアジアに駐在する日本人ビジネスマンの多くはメイドを雇っている。フィリピンでは”信用できると市場で評判”のメイドで月二万円くらいだという。ドライバーも同程度の額。しかも皆多少なまりはあるが、英語を話すし、仕事は丁寧らしい。フィリピンの凄いところはあらゆる年代の色んな仕事をしている人でも英語で話すところ。しかもシンガポールや香港に比してきれいな英語。

余談になるが、海外のセレブ事情に詳しいテレビタレントである知人が「世界のセレブは日本好き。しかし彼らは東京には家を持たない。NY,ロンドン、ドバイ、シンガポール、香港に持っているのに、一番好きな東京に家を持たないのはなぜかわかる?」と聞いてきたことがあった。答えは「英語を話せるメイドがリーズナブルにたくさん雇えないから」だという。セレブに英語ができる複数のメイドは必需品ということだ。彼に言わせると「英語を話すメイドをもっと増やせば、世界中のセレブが東京の不動産を買うよ。メイドにいいのはフィリピン人。英語がきれいでスマイルがよくて働き者」といっていた。

それはさておき、メイドがいるといないでは家事の大変さが違う。東京で、「月に二万で雇用」というわけにはいかないだろうが、家族や子供の英語の勉強にもなるし、英語を話す働き者で陽気なフィリピン人メイドは日本でも需要があると思う。今でも違法ギリギリで、外国人駐在員のみに認められたメイドを使っている日本人家庭もあるくらいだ。子育て中の母だけでなく、要介護の高齢者にとってもいいのではなかろうか?なまじ言葉が完全に通じて空気まで読みあってしまう日本人より、そこまで気は聞かないが陽気で、こちらからみて相手は外国人と割り切れて、一生懸命のフィリピン人の方が高齢者も色々と頼りにしやすいのではなかろうか?

安倍総理は、女性の活用と少子化対策といういわば二兎を追うが、女性の社会進出を応援しながら、子供も増やしたいなら、リーズナブルで家事のできるメイドの供給を増やすことは有意義だと思う。

女性の社会進出色々といえば、国際会議に出ているこの友人から残念な話を聞いた。少し前まで、”国際会議で女性が少ない代表団は日本と韓国であった”という。ところが最近韓国でも女性の台頭が目覚ましく、今や代表団が男性ばかりなのは”日本くらい”らしい。

日本で最も男女をフェアに扱う業界は霞が関。その中でも一番は財務省といわれる。その財務省の官僚から見て、政府の代表団で女性は本当に少ないということだ。

女性が安心して子供を産みながら、社会でも活躍できる社会を目指すなら、女性目線で環境を早急に装備すべきだと思う。その一つは”合法的にリーズナブルに雇えるメイドの供給を増やしていくこと”だと思う。

高齢化が進む中、人口が減少していく今後、移民政策の議論は重要性を増してくると思う。我が国ではITや金融等の高度人材からとの議論があるが、女性の社会進出と少子化対策のために育児・家事・介護をこなしてくれるメイドに正々堂々と就労ビザを出すことから始めてみてはどうだろう?

この記事は田村耕太郎のブログからの引用です