山城式節電法 --- ヨハネス 山城

アゴラ

暑くなりそうやな。あいかわらず電力会社はピンチや。この夏中に、活断層を綺麗さっぱり消去する装置は開発されそうにないから、再稼働は難しいやろ。それどころか、

 再稼働申請 → 安全調査 → 何か出てくる → もめる → 廃炉

という、黄金のサイクルが待っているから、うかつなことは出来へん。ホンマにお気の毒。てなことを言うと、不謹慎とのお叱りが来そうやな。もっとも、ワシの記事を読んで不謹慎と怒るのは、北海道で鮭が出てきて怒るようなものやで。


まあ、たまには役に立つものも、というわけで。ワシが実行している節電方法を紹介する。参考にしてもらえれば幸いや。

1)日よけ系

夏の節電と言えば、いかにクーラーを止めるかということや。よしずやら、ゴーヤカーテンということになるが、空梅雨の今年に関して言えば、ゴーヤは無理でも、よしずは早く出すことを勧める。

梅雨が無ければ、一年で一番日差しが強いのは6月や。家屋に日が当たると壁や屋根自体の温度が上がる。夜中でもたいていの家の天井裏はサウナ状態や。そやから、開口部だけやなくて、家全体を出来るだけ守って温度を上げないようにする。これでクーラーの再稼働を半月遅らせられる。

ゴーヤカーテン。植物というのは、自分から日光を求めて葉を茂らせるから、良い具合に日陰が出来る。しかも、蒸散作用というやつで水を蒸発させるから温度を下げてくれる。森の中が涼しいのはこれが大きい。

園芸系は手間がかかるようやが、そうでもない。ネットにつるが絡み出したら、あとは、最低限水さえやっておけばいい。安い液体肥料でもやれば十分過ぎる話や。

去年のワシの場合、きゅうりを使ったが、水だけで一丁前に実がなった。ただ、何10年も日本人やっているけど、これほどマズイきゅうりを食うたことない。今年はアゴラの読者プレゼントにしたろか。ワシの記事だけクリックせんやつの所に、毎週毎週、みかん箱一杯送りつける。

意外に忘れられているのは、クーラーの室外機の管理。この中で冷媒の冷却が行われているんやから、可能な限り直射日光はさけたい。アルミホイルなどで屋根を作ってやるのは効果的や。

ただし、その時大事なのは、当然ながら送風の邪魔にならんようにすること。ついでに言うと、意外に多いのが、吹き出した熱風が再び吸い込まれる構造になっているケースや。他の室外機の排気を吸い込むような場合もある。こういうのは業者に動かしてもらう。ついでに掃除をしてもらうこと。

2)換気系

外出から帰った場合など、室内の空気が怖いほど高温になっている。クーラーを入れる前に窓を開けるのは常識やけど、大型のウチワで熱気をはき出してしまうのがオススメ。ガムテ-プと段ボールを使って1m四方ほどの板を使って、自作しておくといい。これが一番効果的なのは車の中や。

風の通る時間と方向を、ある程度研究しておく。窓の開け方は結構大事。下手なことをすると、熱風を呼び込んで逆効果やけど、うまく風を入れられるとかなり温度が下がる。体感はもっと良くなる。

3)その他

家の中で、時間帯ににって涼しい場所がかわるから、うまく移動しながら過ごす。オフィスや学校でもこの現象はあるから、これは研究の価値があると思う。

大学教員なら、事務方に頼んで使用教室を変更してもらう。部屋が変わると緊張感が出るのか、学生の態度も良くなることが多い。昔、大学が丸ごと停電したとき、屋外で授業やったこともあるが、さすがにこれは雑談大会になったな。

屋外で夕涼みをするチャンスを伺う。少々暑くなっても、ビール一本あれば、なんとかなるもんや。汗が出るのがええ。1日に30分でも冷房絶ちができると、その他の時間の設定温度も無理なく上げられる。

スーパーなどで保冷用にもらった氷。まさか捨てておらんやろな。かなり生臭いから、しゃぶっていると刺し身を食べた気になれるというメリットもあるが、常識的な利用法は、大きめのボールにでも入れて冷蔵庫に入れることや。相当節電になる。

なにしろ、昔は電気なしの氷式の冷蔵庫が存在したんやから、結構冷える。冷蔵庫のメカが動かないということは、直接の節電以外に、室内に熱気を供給しないというメリットもある。

特に、子供でもいて、開け閉めが多い場合は効果があるように思う。ただし、ウチのオカンみたいに、駐車場と店とを何回も往復して、山ほど氷をせしめてくるようなことをするのかどうかは、読者諸氏の良識にまかせる。

節電に限らずケチるという行為は、楽しみながらするに限る。再稼働議論がギスギスせんようにするためにも、大阪のおばちゃんたちの知恵に、時には学んでみるのも、ええと思うんやがのう。

ヨハネス 山城
通りがかりのサイエンティスト