お昼に「タモリ不在」を受け入れる心構え

アゴラ編集部

フジテレビの看板番組「笑っていいとも!」(正式番組名称は「森田一義アワー 笑っていいとも!」)で司会の森田一義(以下、タモリ)が出てこないコーナーが増えている、と話題です。タモリは1945年8月22日生まれなのでもうすぐ68歳、団塊の世代です。番宣的にいうと、2013年7月1日放送分からタモリはオープニングとテレフォンショッキングしか出演しない、という形になったらしい。病気説は否定されているようです。


この番組、最初に放送されたのが1982年10月4日ってんだから、そのへんの平成世代よりもずっと年長です。バブル期を生き抜き、デフレ時代になっても続いてきたギネス記録更新中の長寿番組。平日の昼間、タモリは生収録が行われる新宿アルタにいることが日常になり、我々も平日の昼間はあのテーマソングが聞こえてくる日常に慣れきっています。

タモリのタレント性を見出した所属事務所の田辺昭知氏は、GS全盛期にスパイダースのリーダーをつとめた人物。この事務所、研ナオコや由紀さおりなんかがいて堅実なプロモーションで有名です。かつては堺正章や萩原健一、THE ALFEEなんかもいたんだが、それぞれ個人事務所を作って独立している。1980年代には田辺エージェンシー所属タレント総出演のお正月VHSビデオが業界関係者に配られてた。アレ、かなり凝った作りでした。もちろん「笑っていいとも!」も田辺エージェンシーの制作協力。居心地の良さそうな事務所、というイメージです。

きわどい芸風のタモリを昼のバラエティ番組の司会にもってくるのは、横澤彪氏ら当時の制作サイドとしてかなり冒険だったんじゃないか、と想像します。事務所としても一種の賭けだったでしょう。それがこんなに長く続いた理由は、タモリという「密室の芸人」が社会に受け入れられたことにつきる。バブル期を前にした高揚感もあったと思います。ただ、それはすでに30年も続いてしまっている。

表題ブログはコーナーが減った理由について、タモリの年齢からして、もう日常に縛られず好きなことをやりたくなったんじゃないか、と書いています。沼津あたりでノンビリ海に出たりする時間がほしくなっても仕方なさそうです。確かに「笑っていいとも!」のテレフォンショッキングでもよく椅子の背にもたれかかるようになってたし、同じ1982年に始まった長寿番組の「タモリ倶楽部」でも新幹線の両脇を歩いたというような同じネタを何度も披露するようになってきている。

「タモリ的芸風」はまだ新鮮であり「飽きられる」という種類の芸人ではないものの、70代を目前にして彼自身で何やら考えることがあるのかもしれません。所属事務所は以前からタレントの言い分に耳を傾ける風土があり、さらにその貢献度からタモリの考えを尊重するでしょう。視聴率至上主義からの転換を模索するフジテレビの経営方針が影響しているとも考えられます。テレビ業界も変わろうとしている。我々もそろそろ1980年代から続く茹で蛙状態から抜け出す時期にきているのかもしれません。

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笑っていいとも タモリ 不在! 本当の理由は?


アップルが小さいけど重要な買収を検討中 プライムセンスはイスラエル軍の技術部出身者が興した3D深度センサーの会社 X-box Kinectも駆動
Market Hack
ここで紹介されている「3D深度センサー」ってのは要注意技術です。CCDカメラや赤外線カメラなどを複数使って立体視、つまり3Dの画像を撮影し、スキャンします。このセンサー、Microsoftの「Kinect」やASUSの「Xtion」ってのが有名なんだが、これはイスラエルのPrimeSense社の「Capri」というシロモノ。軍用の技術を転用したようです。すでに汎用製品があってUSBバスパワーで動いたりするらしい。ゲーム機ではすでに実装されてる技術です。ロボットの外界センサーとしても有望でしょう。このPrimeSense社をアップルが買収するのでは、という記事。Google glassのようなものを考えているのかもしれません。

携帯電話がなくなってしまった世界を描いたムービー「The World Without Mobile」
GIGAZINE
この動画、大げさだな、と思うんだが、人間というのは贅沢に慣れるとなかなかそれを手放せません。Eメールにしても、仮になくなって同じサービスを求めたら、こんなふうになっちゃうんでしょう。携帯電話のない時代を知っているオッサン世代としては、あのころはなんとなくノンビリしてたな、と感慨深い。待ち合わせでスレ違い、というのが頻繁に起きていたので、事前に充分スリ合わせしないといけませんでした。あのころはね、ちみ、カセットテープ(!)を聴くウォークマンというものがあってだね、と若者wに向かっての昔話もいいでしょう。まあ、SNSのプロフィールなんてなくたっていいよね。

やる気の出るアドバイス
NISHIO
これ、何度やっても堂々巡りになっちゃうんですが、やり方が良くないんでしょうか、それとも天邪鬼だからでしょうか。人間、素直にならなきゃダメ、ということですね。よくわかります。

賞賛と炎上を分けるもの
CNET Japan
某チョコメーカーが遭遇したTwitter上の炎上阻止案件を例に、企業が取るべき対応を考えているブログです。良くない事例も紹介してるんだが、さすがにこのコメントはないわな。チョコの写真については、製造年月日がわかったからいいものの、これがわからなかったらどうしたのか、ちょっと興味があります。企業としては「臭いものに蓋」で都合の悪いことは隠蔽したがる。自信を持って「絶対に異物の混入はありえない」と言い切れないと、なかなかこうした対応は難しい。日々コレ精進、というわけです。


アゴラ編集部:石田 雅彦