2012年末に解散してなかったら

アゴラ編集部

こないだの参院選で大惨敗を喫した民主党が、さらに迷走し始めています。選挙で無所属の議員を応援し、党公認の鈴木寛氏の落選につながった責任を問い、菅直人氏に対し、海江田万里代表が「自発的な離党」を促したらしい。「除名しろ」という党内の声も強く、そんなみっともないことになる前に党を離れろ、ということ。さらに、細野豪志幹事長は8月末で辞任し、海江田代表自身の進退にまで発展しそうな状況です。


この「KandaNewsNetwork KNN」というブログでは、安倍首相を名誉毀損で提訴するなどの選挙中の菅氏の言動も民主党の壊滅的な敗北の直接の原因になった、と書いています。一方、前原誠司氏が日本維新の会の橋下徹大阪市長と一緒に行動するのでは、というウワサが駆け巡ったりしている。小沢一郎氏と鳩山由紀夫氏がいなくなり、菅氏や前原氏までいなくなれば、民主党は実質的に解党状態になる。これにより、対立軸のない自民党の「大政翼賛体制」がいっそう進むことになります。

「アベノミクス」などともてはやされていますが、円安株高という今の経済状態は去年の年末あたりから前兆は見えていました。この「みずほ投信投資顧問」のデータによれば、2012年に日経平均が7年ぶりに20%を超える上昇をしていた、と書いている。ドル円も2012年12月10日過ぎあたりから円安へ振れ始めています。

自公政権発足への期待感や安倍政権が実施した政策的な影響は皆無とは言えないまでも、これはタラレバになるんだが、野田政権がもし解散総選挙しないで任期満了まで引っ張って衆参同時選挙に打って出ていたなら、円安株高を背景にして今回のような惨めな結果になったかどうかわからない。麻生政権のようにダラダラと解散を引き延ばす戦術を採りたくなかったんでしょう。

もちろん、国民の失望感が高まり、野田政権は切羽詰まり「死に体」になっていたわけで、解散総選挙は「歴史の必然」だった。ようするに、2012年末の時点で民主党はすでに「終了」していたわけです。それが半年延びただけなんだが、ひょっとすると野田佳彦氏は、自民党のスパイだったのかもしれません。

碧(あお)い日記
祭りの後 「自民党完勝、民主党完敗」の参議院選挙@東京都選挙区について


今週のFEMEN (7p)
HEAVEN
ネット上を渉猟してるとたまに彼女たちの写真に遭遇します。毀誉褒貶著しいし、話題作りとしては古典的ながら目立つことだけは確かです。「FEMEN」はウクライナのフェミニズム団体。ウクライナは美女の産地としても有名なんだが、こんなことを書いたらうちにもトップレスの美女軍団が来ないかな。このブログでは、イスラム国チェニジアでFEMENに対する裁判が始まり、それに対してFEMENらが抗議活動を展開した、という記事を紹介しています。また、騒乱が続くエジプトのカイロで女性に対するレイプが頻発し、これについても批判行動をしているらしい。このブログ、コメント欄も興味深いです。

手と指の動きを感知して奥行きまで含めた立体的な操作ができる「Leap Motion」は一体何がすごいのかまとめ
GIGAZINE
おいこれスゴいな、インプットガジェットもついにここまできたか、という感じです。この「Leapmotion」も米国発の技術。安いし小さいし快適。日本はこういうのをもう作れなくなっちゃったんでしょうか。とにかく、もうコンピュータ上で彫刻や粘土遊びまで自在にできる時代になった。大げさな装置じゃないところが魅力です。

トヨタのロボット宇宙飛行士「KIROBO」が8月4日種子島から打ち上げへ !【動画】
clicccar
これ、単にトヨタは金を出してるだけですね。マスメディアでは大スポンサーに配慮して「トヨタのロボット」とか連呼してるんだが、基本的に京大から移った高橋智隆の技術を使っています。宇宙と地上に二つのロボットを配置し、宇宙船内では人間とのコミュニケーションをしつつ、二つのロボット間でも通信をしよう、というプロジェクト。H-llBロケット「こうのとり」4号機は、鹿児島県の種子島宇宙センターから8月4日(日)午前4時48分に打ち上げ予定です。

ネット選挙考察 成功への道は「O2O」
ASSIOMA
あんまり効果はなかった、と言われ始めている「ネット選挙」なんだが、このブログではそれでも何か影響があったはず、と書いています。若い世代には訴えかけるものがあった、とか、ネット上の「つながり」から現実世界へ呼び込む努力の相乗効果があった、とか。自民党幹事長の石破茂氏の日焼け顔は、確かに現実世界でいかに呼びかけたのかの証左です。民主党の海江田万里氏は、顔の黒さでも負けていた。ネットの利用は現実世界といかに結びつけるのか、という当然と言えば当然のとても大事な話です。


アゴラ編集部:石田 雅彦